第2話 僕のきもち

 もう三月だというのに、今日はなんだか肌寒い。指先まで冷えてくる。 

 僕の気持ちを悟ったのか、黒猫のハルが僕の膝の上に飛び乗ってきた。あったかい。

 猫ってのは、気分屋で愛想がないなんて言われたりもするけど、実際は結構甘えてくるし、僕の気持ちを敏感に察知する。特にハルは、子猫の頃から一緒にいるからなのか、僕にとても優しい。猫に対する形容としては、優しいなんてなんだか変な気もするけど。

 僕は生まれ変わったら猫になってみたかった。でも、僕は生まれ変わっても人らしい。

「ねぇハル、人間は生まれ変わっても、人間にしかなれないんだってさ。猫も、生まれ変わっても猫にしかなれないんだって。だから僕は生まれ変わっても僕だし、ハルは生まれ変わってもハルなんだね」

僕もハルと同じ目線でものを見れたらよかったのになあ。

 でも、猫が生まれ変わっても猫なら、もしかしたら何度でもハルに会えるかもしれないね。寂しいけれど、どうしたって僕ら人間より猫の方が寿命が短いから、ハルの方が先に逝ってしまう。だから、僕は何年だってハルがまた子猫として生まれ変わるのを待つよ。あれ、でも猫って30年以上生きたりもするんだっけ。

 どっちにしても、僕はハルと一緒に居たいな。

 

ハル、大好きだよ。


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ねことぼくと僕と猫と ささら @Sasara3

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