第23話 俺は途方に暮れる……陽も暮れる

「…………」


「……暗くなって来たな……」


「……どうやって帰ろう……」


俺は途方に暮れていた。


「……スタスオン……」


俺は木に寄りかかり、カードを出して見る。


名前 ケイゴ


職業 脚フェチ


レベル99


ステータス


体力 999


魔力 999


攻撃力 999


魔攻撃力 999


物理防御 999


魔力防御 999


速さ 999


運 999



俺はなぜ負けたんだ? このカードが嘘をついている? いや……そんな事はないはず


「……脚フェチ……」


いやね? ホントこれのせいなんじゃないだろうか? レベルもステータスもマックスなはずだろ?


これしかないだろ〜? だってさ……



職業 脚フェチ


綺麗な脚を好むものがなれる。

全ての脚を見通すもの



だぜ〜? これのせいだよな? そう思うのしょうがないよな! うん!


「……女神様は俺に何がしたかったんだよ……」


魔王を倒せとか言ってたよね? なのに……こんなの与えるんだぜ? おっとりにもほどがあるよ……


「……なんでかなぁ〜怒りたいのに……文句言いたいのに……なんでかなぁ〜……かわいいのってずるくね?」


女神様は俺の要望通りにカンステしてくれたしな……きっと悪くないのだろう……


「職業はふざけてるよな……これどうすんのよマジ……」


「……はぁ〜」


「……負けちゃったな〜、俺は手加減してないぜ? 真面目に倒しに行っていたはずなのに……

あれだもんなぁ……ひん死の敵を回復させて、決め台詞的な感じで攻めて、あの強烈な……ロッパーは見事だよ……はぁ〜」


「……それに……見逃してくれた」


「……あいつは、最初に出会った裏モンのように……俺を……


おもちゃにした……」


「……俺は殺そうとしてたんだぞ……試験の為といい俺は殺そうと……」


俺は虫が嫌いだ……でも殺したくもないんだ……昔の俺はアリの巣に水を入れたり……ミミズを水の中に入れてる人達の隣で見てたり……ゴキブリやムカデに殺虫剤をかけ殺していた……でもさ……虫だろうが何だろうがね?


生きてるんだよ……一生懸命に

家畜や養殖された動物たちも、生きてるんだ……

それを俺たち生命はお互いに殺し合い……


生かし合っていると……俺は思う


「……だから……俺はお前らのような事を絶対にしない! そんな事は絶対にだ! 必ず本気で立ち向かう! ……流石に子供にはハンデをやるがな? 舐めはしないさ……そんなてめーらに俺は負けた……」


「……だから……俺は……リベンジしてやる……勝てる勝てないじゃなく! 次、出会ったら必ず倒してやる……同じ個体とは合わないだろうけど……そして今度こそ……俺は……


冒険者になるんだ……」


ケイゴは顔の涙や鼻水を拭う。


「……俺が弱いのには何か理由があるはずだ……それを見つけなくちゃいけねー!」


「……でもその前に……


帰れるかな?」


辺りはもう夕暮れを通り越し……闇が広がる夜


「……無理だよな……遭難って奴だな!」


俺は途方に暮れる……でも……さっきより心は……


晴れていた


すると……


「……遠くに光が……誰かいるのかも!」


ケイゴは走る、その光に向かって……


自分の道の先へ……光を目指すように


「…………まだまだ異世界は始まったばかりだ!」






「…………」


後ろをついて行く……瓶が光を反射していた

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