あとがき
読了感謝致します。
最初に読んでもらった親友の感想・質問とその返信を元に、蛇足ではありますが解釈の一部を書いておきます。唯一の「真相」「答」ではありません。
○預言者が最初の返答で「人間」ではなく「神」と答えた
→つまりその時点ではまだ人間が作った世界ではなかったということか?
実はその点はほとんど触れていません。阿良木はまさか創造の神なんてものが存在したとは、と思ってはいるが、その一言で済ませる程度にしか考えていません。この理由は二章で語っていますが、もう飽きるほどに願っているから。そういった事情もあって、最初の返答時のある意味衝撃的な回答はほぼ流されてしまいます。
解釈は預言者の存在をどう捉えるかで分岐します。預言者が真実のみを完全独立した観測能力で答えるならば、「神が作った」は正しい。預言者が神に劣り、「神」の影響を受ける能力しか持っていなかったならば、「神」と言わされているに過ぎないかもしれません。
○辺見の自殺は本当に絶望したからか? 本当は……
実は阿良木よりも先を行った理由だったかもしれません。終章にて阿良木は我々「読者」に対して語りかけているようにも解釈できますが、もしかしたら辺見は……
終章で阿良木が所持していた『ループ』を読んだことがある方は解るかも……?
○解釈分岐と奇書的構造のヒント
・一章冒頭でミオが読んでいる阿良木の小説は『黒猫は悪魔の夢を見る』
・阿良木の飼う黒猫の名前は「ラキムボン」
・作者のペンネームはらきむぼん
・白井肇の書いている作中の実名小説は『色数山荘事件』
・作中で原稿用紙で十五枚程まで書いている
・実際の一章が始まってからその描写までの長さは……
・ミオの密室講義の信憑性
・肇が書いた小説は「フィクション」か「実録」か、あるいは……
・色数山荘の図面……
・上記ヒントからの解釈と、終章の食い違いの真相は……
少しでも考察による余韻を味わって頂ければ幸いです。
(応援コメントを頂きましたので、そちらで少しだけ解説を書かせて頂きました。もしも上記内容が気になるという方がおられましたらそちらを………。却って解らないことが増えるかもしれませんが……)
2023/08/19 追記
Xとシャカミス(社会人サークル)の友人であるZEROさんが拙作をコミカライズしてくれています。非常に嬉しい限りです。ありがとうございます。
https://twitter.com/ZERORXb3/status/1623287442748096512?s=20
この作品はほとんど初めて書いたミステリなので、正直やりたいことの全てができているわけではありません。いずれそう遠くないうちに全面的なバージョンアップをしたいですね。今の実力ならこの頃よりもほんの少しまともな小説が書けそうです。
オムファロスの密室 らきむぼん/間間闇 @x0raki
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