第5話 雨上がりの畑
2日間雨が続き、おじいさんはずっと家にこもっていましたが、3日目にやっ
と晴れたので畑にまた向かいました。また手押し車を連れて行きました。
2日間畑を放置していたので、今日は水まきをしないでいいなと思いながら畑
に着くと、生えてるはずの雑草は思ったよりも生えていませんでした。
『おかしいなぁ』と少し思いましたが、その分仕事が減るので、今日は早めに
山へ行けそうです。
「おや?」
荷物を置こうと小屋に近づくと、小屋の側に雑草の山があるのに気が付きまし
た。雑草の山の横には牛乳の瓶が1つ置いてあります。
「誰がしてくれたんだろう。」
おじいさんが1人で生活していることを村の人たちはみんな知っているので、
山に来た村人の誰かが手伝ってくれたのだろうか?考えてみてもおじいさんに
は誰かわかりませんでした。
しばらく畑の仕事を続けていましたが、疲れたおじいさんは大きな岩に腰掛け
休憩をしました。休憩しながら畑の様子を眺めています。
「もうそろそろかぼちゃを少し増やそうかのぉ。」
誰かが置いていってくれた牛乳を飲みながらぼんやり景色を見ていると、畑の
向こう側にあの女の子が小さく見えました。
女の子は遠くからおじいさんに気付き、大きく手を振っていました。おじいさ
んは気づかないふりをして、手を振り返す事はしませんでした。
女の子はおじいさんが自分に気付いてもらえなかったと思ったのか、手を振る
のをやめて、おじいさんからは見えない離れた向こうの方へ歩いて行きました
。
「まったくしつこい子だ。一体どこの子なんだろう。」
おじいさんはため息と共にそう呟くと、立ち上がって畑仕事の片づけを始めま
した。
おじいちゃんのお花 みぃまん @mi-man
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