第4話 頑固なおじいさん
次の日、おじいさんはまた畑に向かいました。今日は畑仕事の後に薪を拾いに
山にも向かう予定で、おじいさんは手押し車にリュックを乗せて押して行きま
した。
畑に着くと小屋の前の大きな岩に昨日の女の子が座って待っていました。
「おじいさん、おはよう!」
女の子は座っていた大きな岩から跳ねるように降りて立ち上がり、手に持った
縄に繋がれた子犬と一緒におじいさんを笑顔で見つめていました。
しかし、おじいさんは女の子を無視して小屋の中にリュックをしまい、クワを
持ってそのまま畑に入りました。
「私ね、おじいさんのお手伝いしてみたいのっ!してもいい?」
畑の側に立ち、女の子はおじいさんに話しかけましたが答えてくれません。
「横に咲いてる黄色いお花キレイだね!何のお花なの?」
おじいさんはその問いかけにも答えず、何もない畑の土をクワで掘り起こし始
めました。
おじいさんが答えてくれるか女の子は少し返事を待っていましたが、おじいさ
んは背中を向けたまま畑を掘っています。
「手伝ってもいい?」
「子供が出来る仕事じゃないんじゃよ。忙しいから邪魔しないでくれ!」
おじいさんは振り返って女の子に厳しい声で言い放ちました。女の子を心配し
てか、子犬は『クゥーン』と鼻を鳴らしました。
女の子はおじいさんが怒ったような声で言った言葉に、少し残念そうな顔を一
瞬しました。おじいさんはまた背中を向けて畑を掘っています。
「また来てもいい?」
おじいさんはもう振り向いてもくれません。女の子は肩を落とし、畑から去っ
て行くのでした。
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