第3話 少女との出会い

 おじいさんは女の子が知っている子供ではない事を確認すると、何も答えずにま

 たジャガイモを食べ始めました。


 女の子はおじいさんが何も答えてくれなかったので、聞こえなかったのかな?と

 思い、もう1度大きな声で問いかけてみました。


 「何してるの?」

 女の子が大きな声を出したので、一緒にいた子犬も『ワン!』と鳴きました。そ

 の様子を見たおじいさんは面倒くさそうに答えました。

 「ここは私の畑だぞ。お前さんこそ何をしているんじゃ。」

 「知らない場所を探検してたらここにきちゃったの。おじいさんは何してる

  の?」

 「自分の畑で何をしてようが関係ないじゃろ。早く帰りなさい。」

 女の子はほっぺをわざと膨らませて、動かずにそこに立っていました。

 おじいさんは女の子を無視してご飯を食べていると、しばらくして女の子が

 『あっ!』と小さく言いました。

 「お昼ご飯食べるの忘れてた!おうちに帰るね!おじいさん、バイバイ!」

 女の子は慌てて走って行きました。その姿を見送ったおじいさんは、『ふんっ』

 と鼻を鳴らしました。


 

 畑仕事を終えて家に帰ると、おじいさんはシチューを作りました。シチューの温

 かさで仕事の疲れが癒され、満腹になったおじいさんは暖炉の前でまたうたた寝

 を始めました。今夜も手には手紙が握られ、悲しそうな寝顔をしていました。

 

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