第2話 おじいさんのお仕事
おじいさんは畑の横にある小屋に着くと、持ってきたリュックサックを中にしま
いました。そして立て掛けてあったクワを持ち、小屋の外に出ると畑の前にある
大きな岩に腰掛けました。
「今日はどこから手を付けようか」
大きな畑には半分かぼちゃが埋めてあり、黄色い花がおじいさんの目の前に沢山
咲いていました。
もう半分の畑には雑草が少しあるだけで、何もありませんでした。これから何の
種を撒こうか考えているのです。
「とりあえず先にやってしまおうか」
おじいさんは腰を上げると、畑全部の雑草を抜き始めました。
抜いた雑草を小屋の横に広げて置いて乾燥させ始めると、前に乾燥させておいた
沢山の雑草を大きな岩の横に置きました。
小屋の中にあるリュックサックから2個の大きなジャガイモを取り出すと、半分
に切って4つに分け、乾燥した雑草の中に入れました。そして雑草に火を付けて
焚火を始めたのです。
おじいさんは雑草の焚火をそのままにして、ジャガイモが焼きあがるまで畑のま
わりにある小石を拾ったり、クワで岩をほじり出したりしました。
しばらくすると遠くに見える海から汽笛が聞こえました。お昼の時間になると汽
笛が聞こえるので、おじいさんはそれを合図にお昼ご飯を始めるのです。
おじいさんが雑草の焚火に入れたジャガイモを見ると、ちょうどよく焼きあがっ
ていました。ほくほくになったジャガイモにかじりついていると、女の子の声が
聞こえました。
「何してるの?」
おじいさんが振り向くと、小さな女の子が子犬を連れて立っていました。
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