レガシーなゲーム開発から現代のゲーム開発へ。

かつて日本製のゲームが世界を席巻していた時代は遠く、世界から置いてけぼりをくらったゲーム開発にあって「なぜそうなってしまったのか」からどうしなければならないのかーーーせめてこのくらいは、までを小さな物語としてまとめられた作品だと私は思った。

「とにかく発売すれば儲かるし、がむしゃらに作り続ければいい」
そう信じられていた時代はリアルに存在していたし、今でもそう思い続けプロジェクトを燃やす作中登場人物のような人々は、空恐ろしいことにまだ存在する。

私はあのレガシー極まる開発スタイルを「出来損ないの文化祭」と呼んでいるが、物語が佳境を迎えるにあたり"俺"氏が現代的な開発プラクティスを取り入れていくことで、プロジェクトは息を吹き返していく。
(そうこの物語はBAD ENDではなかった!安心して読めるのだ!)

ゲーム開発プロジェクトには本当に多くの人が関わってくる。
この物語は、そんな癖があって我の強い創作人たちのベクトルをどう整理して、どう行くべき場所へ導いていくかが重要である、と言っているように思える。

一応はフィクションである(と思われる)ので、Redmine本格導入時に社内の抵抗勢力が出てこなかったり、あんなところであんなに聞き分けのいい展開になったりする。
けれど、プレイヤーに夢と希望を与えるゲーム開発にも夢と希望があったっていいのだ。
人よ、ゲームを遊べ。そしてあわよくば作れ!