第49話つきあかり
蝿の王の、くろい、にくに、月の、あかりが、紅い、あかりが、ふる・・・
ふるえる、熾天使は、きえる・・・
少女たちは、眠っている。すやすやと。・・・
月が、雲に、隠れる
肉塊は、消える・・・
ガラスの、汽車が、すすむ、地平線の、むこうへ・・・
世界の果てへ、むかう。
少女たちは、駅で、おりる・・・
煉瓦でできた、風化した、崩れた、駅舎
赤茶けた、壁・・・
街路樹が、黄葉している・・・かわいた、はっぱが、まう
うまが、馬車が、通り過ぎる、ひそひそ声が、きこえる・・・
街路樹の、ならぶ、道を、すすむ
レストランが、ある、料理店が・・・
山猫が、経営してそうな・・・
山猫は、見当たらないが、・・・・、虎が、白い、虎が、子供の白い虎と、眠っている。料理店の、まえで・・・。
料理店の木でできた扉を、くぐる。店内は、木の香りがする・・・・
テーブルの、円形の、卓に、かみきれが、一枚、おかれている。
ガラス製の、水色の、天使のかたちのペーパーウェイトが、おさえている。・・・
白紙にみえる、そのかみきれに、文字が、浮かび上がる・・・
天使のペーパーウェイトが、もぞもぞと、動き、とびさる・・・
猿のかたちの、絵が、うかぶ。紙に・・・
描き出された、猿が、紙から、ぬけだす・・・。
猿が、その、金色の毛で包まれた、手のひらサイズの、猿が、店の、奥へ、、みちびく。・・・
繭物語 あろんそ @the_rats_in_the_walls
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