俺のステータスだけなにかおかしい!!

るる

第1話

俺の名はレイン このMMORPG オヴィエンスオンラインのトップギルド、月光の鏡のギルドリーダーをしている


今日も日課のレベル上げを終えギルドハウスに戻っていた

「今日のレベル上げは調子がよかったな」

「今日は珍しくヒーラー、アタッカー、タンク、がそろってましたからね」

このゲームにはヒーラーとアタッカーとタンクの主に大きく分けて三種類がある

スキルや細かな職業の違いで個々を分けている

こいつはギルド開始時からいるアヤ、戦闘はできないが回復量だけはギルドでもずば抜けている

「レインは今日も前線での狩りお疲れ様!」

こっちがスレット、いろんな意味でいいやつだがいろんな意味で鬱陶しいやつだ

こいつもギルド開始時からいるメンバーの一人だ

主に今のギルドの運行はこの三人で行っている

「そろそろ明日の仕事があるのでおちますね!」

「あ、私も学校なので落ちます」

二人がそういうので現実で時計を見てみると時間は深夜1時を超えそうになっていた

「乙です」

とだけ打ち込みゲーム画面はそのままで部屋を出た


現実の俺はゲームの中と違いダメなやつでしかない

小学校の時のいじめが原因で中学には最初しか行けずに引きこもってはネットゲームばかりしている

このまま堕落した人生を過ごして終わるんだろうと思いそれを変える気もなく日々を過ごしている


下に降り水を飲むとテレビがつけっぱなのに気づいた

誰かいるのかと思い部屋を見渡しても誰もいない

不気味だと思い部屋を出ようとするとガタッっという音が机の下から聞こえた

逃げるか悩んだが一度覗くとそこには従妹の悠がいた


「悠姉!?何してるのこんなところで!」

「いやー机の下に携帯落としたらちょうど直人が来たから脅かしてやろうと・・・」

なんて迷惑な従妹なんだろうか今年で中学卒業のはずなんだがなあ

「そろそろ三年生でしょ?三年生からは学校いかない?」

「行くわけないでしょあんなところ」

そう告げ逃げるように部屋に戻りもう一度レベル上げと装備を整えようとゲームをつける

するといきなりタイトルで落ちてしまった

何しても落ちてしまうため「今日のところはやめるか」とpcを閉じ

寝床につた

たまに普通に学校にいけてたらどうなってたんだろうって考える

今思えばあのいじめなんてたいしたことなくもっとひどいことされていたと今なら思える

そんなこと考えてるといつのまにか寝てしまっていた


朝起きてゲームにログインしようとすると昨日の夜のことが嘘のようにさらっとログインできた

いつも通りレベル上げをしようとすると装備が外れてることに気が付いた

おかしいと思い慣れた手つきで装備をつけるがすべて外れてしまう


[この装備をつけるにはレベルが足りません]


不思議に思いステータスを開いた


[レイン][所属ギルド:月光の鏡]


戦闘タイプ:アタッカー

レベル:1

魔力:1

攻撃力:1

防御力:1

魔法防御力:1

移動速度:1

運気:1


スキル<なし>


なんだこれ・・・

まて落ち着けこれはバグだ、そうに決まってる

そう思わないとやってられない

ギルドリーダーがレベル1なんてメンバーに合わせる顔がない


何度ログインしてもなにも変わらず

結局はレベル1のまんまである

もうだめだこのステータスじゃなにもできないし最初の雑魚も倒せやしない・・・


アヤさんがログインしました

チャット欄にその文字がうかぶとほぼ同時に

「いやー学校つかれましたあ!」

なんて元気な文字が送られてくる


大切なメンバーもいてそのうえひきこっもてからずっとやってきた思い入れの深いゲームだ

そんな簡単に諦めることはできない


俺はアヤに前線からしばらく離脱することだけを伝え雑魚に挑むことを決意し

始まりの町に向かって足を向けた


俺は久しぶりにわざわざ始まりの町ザバルスチムな前まできた

このゲームにはテレポートなどの移動手段などない

つまり移動には自分の足しかないのだ

俺の移動速度はなぜか1ほぼ動けないに等しいのだ

しかもオートランがないのだからたまったもんじゃない

ここまで何時間かかったか・・・

今までの俺なら数分クラスだったのに・・・

今はそんなことはどうでもいい

始まりの町について俺は初めてこのゲームを始めた時を思い出した


俺がこのゲームを始めたのは今から2年前引きこもりになってすぐだ

ひきこっもてしまったのを心配した親は俺にPCを与えた

親曰く外の世界を知れるようにだそうだ

それでネットサーフィンをしてる時にこのゲームがもう少しでリリース開始というのを見つけ

リリース日に初めて見たというわけだ

このゲームは言ってしまえばリリース開始日から神ゲーに違いなかった

しっかりしたレべリング機能、アップデートで日に日に増える世界、圧倒的グラフィックにユーザーたちは感動を覚えたが

それと同時にこのゲームの難しさにこのゲームをやめるユーザーも少なくなかった

ゲームリリースから2か月経っても2番目の町にたどり着くユーザーはいなかった

このゲームには狩り以外にも鍛冶屋や農業などの職業もありそちらでもゲームを楽しむことができる

半ば最初の町から出るのを諦めかけているときにスレットに出会った

「あなたは次の町に行きたくないですか?」

これが初めて言われたセリフだ

ここからは早かった

スレットは同じような感じでいろいろな人に声をかけていたようだ

攻略当日俺らは始まりの町の門の前に集合した

するとスレットは俺たちを3チームに分け始めた

先頭がタンク真ん中はアタッカーの半分後方にヒーラーそしてその後ろにアタッカーと

なるようにその3チームで並び

1つの塊になったのだ

その作戦もあってか無事次の町にたどり着けたのだ


そんな間に俺は始まりの町でレベル1用の装備を買い

最初の雑魚ムシノシムに攻撃を仕掛けた


結果はもちろん返り討ちだった

まず冷静に考えてステータスが1になっていることがおかしい

始めたてのどの職業でも最低30はある

PSと運でごまかせる数値じゃない

しかしここまで来て諦めるのは悔しすぎる

俺はメニューのいたるところを探した

そこに『クエスト』というものがあった

始まりの町に最初に来た時に生まれるもので

いわばチュートリアルみたいなものだ

クリアすると経験値がもらえるため序盤のレベル上げはすべてチュートリアルになる


レベル1に戻ったのならクエストがあるかもしれない

そんな期待を胸にクエストを開く


『NEWクエスト!』


その文字を見たとき俺は歓喜した

どうせ簡単に違いない

そう思い俺はクエストの詳細を開いた


        『NEW!学校に行こう!』


    クエスト詳細


          学校に行く

          *現実世界で



は?

学校?

いやまて

学校?

学校?

学校ってあの学校?

しかしここまで来てこのゲームをやめるのか・・・?

いやそれは惜しい

悠姉に言われた言葉を思い出した

もう中三だし1度だけ学校に行ってみるか・・・

学校に行くことを決意し2年近く使われず放置していた

目覚ましと制服を用意し俺は現実から逃げるように寝た

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