それはまるで魔法のような 〜ジュブナイル・スチームパンク・ファンタジー〜

作者 月生

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★★★ Excellent!!!

 ファンタジーに詳しく無いので、スチームパンク・ファンタジーというジャンルがあるか分かりません。

 でもそこには豊かな人間関係と、悲しさを乗り越える逞しさがあります。宮崎◯駿ばりの自己犠牲があり、読後も爽やかです。

 彼ら(主人公だけでは無いと私は思っていますが)は、どんな魔法を使ったのでしょうか?

★★★ Excellent!!!

スチームパンクと魔法ファンタジーが噛み合い、その世界に住んでいる人々の生活や歴史を浮き彫りするような奥行きの深い世界観にロマンを感じました。

魔法使いなのに魔法が使えない主人公がかけがえのない友人を得て、果ては世界を救う運命を担うことになる。
その青春と冒険を同時に駆け抜ける爽快感が、読後にじんわりと温かい余韻となって胸に沈んできました。

ちなみに、主人公の心の中(地の文)では自分のことを『僕』と言っているのに、口に出すときは『俺』になっているところが可愛いポイントです。

★★★ Excellent!!!

魔法の使えない魔法使いの家系の少年、ルカは王立クライン大学レナート校に進学しそこで個性豊かな仲間達と出会います。
彼らはそれぞれ秀でた能力を持ち、互いに助け合いながら困難を乗り越えていきます。
緻密かつ巧みな描写でスチームパンクの世界が作り出されており、少年少女たちは周りの人たちの助けを借りながら、古来より続く因縁に決着をつけるのです。

「誰でも魔法使いになれる時がある」

作中での言葉が示すとおり、例え魔法がなくても技術と努力で偉業を成し遂げることができるということを教えてくれる作品です。

★★★ Excellent!!!

世界観や情景を描き出す地の文が綿密で緻密であるが故に少し文章が重く感じるかも知れません。
しかし、そこで紡がれる文章達が世界の成り立ちや文明の進化、そして主人公とその仲間たちの生き様を色付けていきます。
そしてこの国の成り立ちに繋がる魔女の存在と隠された歴史。巻き込まれた少年少女たちがこの世界の命運を担う戦いへと誘われて行きます。
最初に書きましたが、ライトなノベル好きの一部の方には少し取っ付き難い印象が有るかも知れませんが、世界を救う運命に選ばれた少年少女たちと、魔法が使えない魔法使いの少年の空を飛ぶという夢に貴方も誘われてみませんか? (^-^ゞ

★★★ Excellent!!!

この物語の素晴らしさは他の方々がレビューして下さっているので、そちらにおまかせしまして。
私はどうしても技術的な側面からこの作品を掘り下げたくて、非常に稚拙で申し訳ありませんがレビューさせて頂きます。

まず私がプロペラのついた飛行機が好きな人間であると先に申し上げておきます。
そしてこの作品は、飛行機好きな方には是非、読んで頂きたい作品です。

以下、専門的な用語が出てきますが申し訳ありません。
私が惚れたのはこの作品に登場する蒸気機関のエンジンを搭載した飛行機。
恐らくこちらは空冷式エンジンに対する水冷式エンジンの位置付けかな、と考察。
そうして考えてみると、私の目の前に空冷式の機体より機首の長い、ややトップヘビー気味な重厚な機体が表れました。
蒸気を噴き上げながら飛ぶ機体。
この機体をイメージして惚れました。

そして硬式飛行船のリーディア号。
これは物語中に登場する、内部に全通式の滑走路を備えた飛行船です。
もちろん着艦制動策付き。
縦式か横式かは明示されていなかったと思いますが、私のイメージでは敢えて縦式の制動策。
主人公の着艦シーンは脳内に映像が浮かぶほどにリアルです。
こういった細かな設定を説明的になりすぎず、そして殺伐とならず、童話のように柔らかな、綺麗な文章で物語はまとめられています。
飛行機が好きな方はこういった細かな設定にも注目しながら読んで頂きたい作品です。
長文で失礼致しました。

★★★ Excellent!!!

情緒あふれるスチームパンクの世界観と、ファンタジー要素満載な魔法の設定が両立した、とても贅沢な設定の作品です。
どちらか一方が劇中世界を支配しているのではなく、両方の要素が余すことなく活用され、また交錯して展開してく物語はとても見事でした。

ところどころ技術的な要素も登場しますが、解説的になりすぎておらず、素人が読んでも楽しめるようなスパイスとして物語を引き立てています。
その他細かい部分では、食べ物の描写がとても上手だと思いました。