Day5 📖【匂兵部卿】スーパースター亡きその後
おはようございます。今回の宿泊先のホテル六条院はいかがでしたか? え? 寒かった? そうですね、なんせほぼ壁のない寝殿造りですからね。エアコンと床暖(?!)の温度を高めに設定しますわね。
さて、今日はいよいよ源氏物語第三部の【超訳】部分のご案内です。
第三部メインディッシュの「宇治十帖」の前に「匂宮三帖」と呼ばれる第四十二帖【匂兵部卿】、第四十三帖【紅梅】、第四十四帖【竹河】の3巻があります。いわば第三部の前菜といったところでしょうか。今回は第四十二帖【匂兵部卿】のご案内です。
第一部、第二部で登場したキャラも何人か登場します。年齢にご注目くださいね。時は流れているんだなぁって実感できると思いますよ。
さあっ! 『源氏物語』に行こっ!
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【超訳】源氏物語 episode42 ふたりのイケメン 匂兵部卿より抜粋
https://kakuyomu.jp/works/1177354054881684388/episodes/1177354054886199626
第四十二帖【
薫 14~20歳 匂宮 15~21歳
夕霧 40~46歳 女三宮 35~41歳
明石中宮 32~38歳 明石御方 52~58歳
―― 源氏亡きあとの近況 ――
源氏が亡くなってしまったあと、源氏のような超絶イケメンは見当たらないの。冷泉院さまが源氏にそっくりと言われることもあったけれど、元帝のことをそんな風にウワサするのも失礼よね。
今は明石中宮と
紫の上に可愛がられた匂宮は今もあの二条院で暮らしているの。元服して
夕霧は今は右大臣になっていて宮中の要職に就いているの。長女は東宮に
花散里は二条院の東の院に引っ越して、女三宮はお父さんの朱雀院に譲られた三条の宮に住んでいるの。明石中宮は主に御所にいてなかなか帰省もできないので、夕霧は女二宮(落ち葉の宮)を六条院に住まわせているの。雲居の雁の住んでいる三条の本宅と六条院を律儀に1日おきに通っているんですって。明石の御方は中宮の子供達の後見としてとりしきっているの。
―― 悩める薫 ――
薫は元服後トントン拍子で出世しているの。冷泉院(源氏と藤壺の宮の子)は薫のことをとっても可愛がっているの。自宅に薫専用の部屋を造り薫専用の女房たちまで雇っているの。でも薫のお母さんの女三宮が薫に頼り切りだったから、薫は冷泉院の御所と母の三条の宮を行ったり来たりの生活で忙しそうなのよね。他に帝と明石中宮の子である東宮さまや兄弟の宮さま達も親友のようによく薫を呼び出すので、身体をいくつかに分けられたらいいのになんて思っているみたいね。
ぱっと見順風満帆に見える薫なんだけれど、小さい頃に自分の出生のウワサをチラッと聞いたことがあってずっと気にしているの。けれども誰にも聞くこともできなくて悩んでいるの。
~ おぼつかな たれに問はまし
(誰に聞いたらいいんだろう。僕はどうやって生まれてきてどう生きて行ったらいいんだろう)
どうしてお母さんはあんなに若くして出家しなきゃいけなかったのか、自分が生まれてくることに何か不幸なことがあったんじゃないか、本当に自分は源氏の子なんだろうか、源氏にも自分の存在が不快にさせていたんじゃないか、もし源氏の子じゃないのなら冷泉院さまに目をかけてもらって出世する資格なんてないんじゃないか……。
そんなことを考えていたから出仕(勤め)始めて周りの華やかさに触れても薫自身は浮かれることもなく冷静な性格になっていったの。それどころかいっそ出家したいな、なんて考えるようになっちゃうの。
薫は優美で気品高く思慮深く、見た目は両親のどちらにも似ていなく優秀な男子に成長していたの。
その上薫の身体からはいい香りがしたの。そのなんともいえない香りは人を惹きつけて、離れたところでも薫がそこにいるってわかるくらいだったの。
―― 負けず嫌いの匂宮 ――
匂宮は負けず嫌いだったから薫に負けないように服に香りを焚きしめてるの。庭の木も香りの強いものを揃えて香りへのこだわりがスゴイんですって。
薫はよく匂宮の二条院に遊びに行っていて、お互い親友でライバル同士でもあるみたいなの。世間でも「匂う兵部卿」「薫る中将」ってウワサをしているのよ。だから娘がいる貴族たちはみんな彼らを、婿にしたいなぁって思っていていろいろとモーションをかけてくる人もいるみたい。
匂宮はまだ結婚していなくて、けれども特別本命のコがいるわけでもなくて、いろいろな女の子と恋を楽しんでいるの。ただ冷泉院と弘徽殿女御の姫宮と結婚出来たらいいなぁとは思っていて女房経由でいろいろ調べているんですって。
―― 薫の恋愛観 ――
薫は色恋なんて出家の邪魔になるだけだ、なんて言っているの。テキトーに遊ぶ女の子はいなくもないけれど、結婚したいような本気の恋をするつもりはないみたい。
夕霧は自分の娘をひとりは匂宮と、ひとりは薫と結婚させたいみたい。親戚同士だからあんまり大々的に婚活できないらしいんだけど、
でもそんな夕霧の思惑とは裏腹に匂宮は堅苦しい結婚をする気はまったくないみたいね。だから夕霧も弓の競技のイベントや宴会を開いて匂宮や薫の興味をひこうとしているの。
~ おぼつかな たれに問はまし
薫がひとりごとのように詠んだ歌
第四十二帖 匂兵部卿
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お疲れ様でした。最初の【超訳】ツアーでしたね。
第二部で幼かった匂宮と薫が成人していますね。源氏が亡くなってからの人々の様子が語られています。源氏の孫の匂宮と表向き源氏の息子の薫、現在の宮中を賑わせているイケメンふたりの恋物語がここから始まります。
今回ツアーで出かけないのですが、次の第四十三帖【紅梅】は亡くなった柏木の弟の紅梅一家のお話です。夕霧くんがアラフィフになっています……。
【竹河】は玉鬘一家の近況ですね。三巻に共通していることですが、夕霧に雲居の雁ちゃん、紅梅に玉鬘ちゃん、子供たちの「婚活」に忙しそうなんです。この頃の結婚には政治が直結しているから親たちもタイヘンそうです。
そうそう、雲居の雁ちゃんも息子くんが玉鬘ちゃんの娘ちゃんのことが好きだから「なんとかならないかしら?」って義姉の玉鬘ちゃんにお願いしていたりします。第二部では夕霧くんの再婚に腹を立てて家出しちゃったけれど、三条のお屋敷(夕霧の本宅、ふたりが幼い頃過ごしたお屋敷)に戻ってます。夕霧と和解(?)したのかしら。
ぶっちゃけこの先、紅梅や玉鬘の子どもたちのお話は出てきません。夕霧の娘の六の君ちゃんだけが今後も登場するかな? 特に伏線でもないのにどうして三帖も費やして源ちゃん亡きあとの近況を語っているのか謎の部分もあるらしいです。あとから挿入したんじゃないかとか別作者(紫式部の娘さん説もあり)が書いたんじゃないかとか。
今回の第3弾ツアーの行程には入れていないのですが、興味のある方はオプショナルツアーへお出かけ下さいね。
◇第四十三帖 紅梅
【超訳】源氏物語 episode43 匂宮は梅がお好き 紅梅
https://kakuyomu.jp/works/1177354054881684388/episodes/1177354054886199724
◇第四十四帖 竹河
【超訳】源氏物語 episode44 玉鬘のお悩み 竹河
https://kakuyomu.jp/works/1177354054881684388/episodes/1177354054886199756
さあ、次巻から宇治十帖です。メインディッシュです。いよいよ薫と匂宮の物語が動き始めます。
……の前に明日は平安トリビアへのご案内です。え? 焦らすなって? まあまあ、薫くんも
だから明日は『源氏物語』を食べようね?!
『
✨明日の予定
Day6 🎶平安なるぐるなび
集合時間:お腹のすいているとき
集合場所:ダイニング、もしくはリビング
備 考:明日は武器は不要です。
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