奈良時代、後に桓武天皇となる山部王の若き日。「平安京」への願い。

称徳天皇の崩御後、それまで日陰の存在だった天智系の白壁王が即位。
長男・山部王が皇太子となり、後に桓武天皇となるが。

日本史で習ったので、孝謙・称徳天皇や、藤原仲麻呂の乱。
道鏡、宇佐八幡宮神託事件などは知っています。
白壁王は突然ポッと出てきて、桓武天皇はそれを継いだ印象でしたが。
よく考えれば、主流でない皇族たちは、為政者の反感を買わぬよう。
目立たぬように、必死に時代を泳いで生き延びてきたわけで……。

この物語の主人公である山部王は、かなり危なっかしいです。
むしろ「よく処分されなかったな」というくらい、いろんな事件に首を突っ込んでいます。
でも、だからこそ、争いのない世を願って、「平安京」を築いたのかもしれません。