第4話
午後4時30分。
そろそろバイト先に向かう時間になったのでお勘定をしにレジに向かった。
「えっと、コーヒー1杯でお会計320円になります」
気さくなお姉さんがそう告げたのを聞き、差し出された手の上に320円ちょうどを乗せて財布のチャックを閉めた。
「まいど〜!」と元気な声で言ったお姉さんが続けて、
「ん〜、あなたもう少し笑顔で過ごした方がいいわね、可愛い顔してるんだから!」と頬をつついてきたので驚き咄嗟に、
「余計なお世話です。」とぶっきらぼうに言ってお店を出てしまった。
ああ、絶対にあのお姉さんに嫌われた。感じの悪いやつ嫌な奴だと思われたと、数秒前の自分の言動を恨み恐る恐る後ろを向くと、そこにはいつもと変わらぬ笑顔で僕に手を振るお姉さんがいた。
ああ、あの人には適わないと思い、気づくと口元が緩んでいた。
根暗な僕は見知らぬ君に恋をする。 らんまる @yuzuchan1116
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