第3話

今日も色のない学校生活を終え、いつもの様にアルバイト先に向かう前に行きつけのカフェに入る。


「いらっしゃいませ〜」

そう言って、いつも気作なアルバイトのお姉さんが僕を窓側の席へ案内してくれる。


「あなた、今週何回目かしら。随分とここの店気に入ってくれてるみたいね」

そう言われ、何か気の利いた返事をしようと考えたのだが、


「ええ」

僕の口からはその2文字以外出てくることは無かった。


飲み終わったコーヒーカップの底を見つめると、このお店オリジナルのくまのキャラクターが「Thank you!」と言っているイラストと目が合った。


飲み終わったカップでさえこんなにも暖かい言葉を掛けれるのに、僕は何でいつもこうなのだろう。


少し自分が嫌いになった。






  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る