三話

とんだ条件を突きつけられた次の日、俺は久しぶりにつぐみと一緒に登校していた。久しぶりというのは何故かこいつは朝一緒に行くことを好まないのだ、放課後は一緒に帰るのに…。その理由を俺は知らないし面倒臭いから今後知ろうとも思わないが。



「なぁつぐみ、お前部活入ってたっけ?」


「入ってないよ」


「ふーん」


なにかあるの?とつぐみ。

俺はうーんと唸りながら考えていた、そういえばこいつ中学の時美術部だった。理由は部活参加自由だからだ。

今思い出して言うのをとどまる、今の俺はただのおかしいやつだ。



「お前さ、部活する気ない?」


「部活?」


「バスケ部…、のマネージャー」



思い切って言ってみたもののつぐみの反応は薄かった、せめてえぇとびっくりするくらいはしてほしいものだ。


「無理だったら…」

「いいよ」


「は?」


だからいいよ、とつぐみ。

てっきり嫌だとかマネージャーかぁと渋ったりするかと思っていた俺は拍子抜けとてつもなく阿呆な顔をしていることにちがいない。


けど考えてみれば、こいつは一回もそういう素振りも嫌な顔もしなくてすべてはこちらの思い込みだった。

ふむふむ、そうかこいつは別に人の集まりとか嫌いじゃなかたのかぁ。



「バスケ部、志郎もいるんでしょ?」


「おう」


「だったら問題ないよ」


「…おう?」


問題ないときた。


「(今日またあいつのとこ言ってはなしてこよう)」


思いのほかはなしがすんすんと進んでこれまた拍子抜けである。

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皇神高校バスケ部の日常 十夜カナデ @kanade-yuta

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