第7話


「これから五神の王の討伐作戦会議を始める」


「まず復活したと思われるのは女神族に封印されし5人の魔族だ」

「あの古の大戦で封印された奴らっすか?」

「あぁ。先祖から受け継いできた伝承によれば奴らは1人で魔王1人分の兵力になりうるそうだ」

「マジっすか?」 「それはおっかないね〜」

「とにかく我ら天聖騎士ホワイトナイトロットが倒さねばならない」

「具体的にはどーするさね?」

「2〜3のチームに別れてもらう。」

「まずAチームは剣聖けんせい歌姫うたひめシャルロットと創世そうせいの魔術師ノロスタンと憤怒ふんぬの獣人ガガレオ」

天聖騎士王様てんせいきしおうさまはよく考えてらっしゃるな」

ノロスタンは愉快な顔で言った。

「じじぃと一緒とか萎えるんですけど」

シャルロットは嫌そうなのが伝わるほどに顔に表れていた。

「何が萎えるじゃよ。馬鹿馬鹿しいわ」

「もう1回言ってみなさいよ!」

「二人ともその辺に」

「レオは黙っててよ」

「そうじゃよ。ガガレオは引っ込んでるじゃ」

「そろそろしないと二人とも......」

ガガレオが喧嘩を止めに少しばかり殺気を出すと

「二人ともいい加減にしろ......」

天聖騎士王ガラハッドは物凄い殺気を出して言い放った。

その殺気に周りは皆恐怖を感じたようだった。

「すまんかった」 「ごめんなさい」

「分かればいい。いちいち言い争ってる暇はないんだよ」

場の雰囲気は重苦しくなった。

「Bチーム神速の魔導師マリン、と雷神の戦士バアル」

「私におまかせください」 「分かったっす!」

「Cチームは聖剣使いの幼女ヴェオラと怠惰精霊王たいだせいれいおうムーラン」

「了解なのです!」 「了解でーす」

それぞれのチームの割り振りは終わり次はどのチームが誰を討伐するかを話し合っていた。

「5人の特徴と名前を教える」

するとガラハッドはひとつのボロボロになった書物を持ってきた。

「正直本当かどうかは分からない。俺もこの本でしか聞いたことがないからな」

「なるほど。あくまで参考という訳じゃな」

「1人目は忠誠ちゅうせいのカルマだ」

皆腑に落ちない顔をしていた。

「忠誠っすか?」

「あぁ。忠誠と言われてもピンと来ないだろう」

「能力はなんなんだい?」

「能力は魔力3000以下の全ての生き物に忠誠を誓わせ従わせることが出来る」

「いやそれって結構やばいじゃないっすか」

「あぁ。だから魔力の高いBチームに引き受けてもらう」

「了解っすー」 「おまかせを」

着々と会議は進んでいき全ての担当が決まった。

「もう1度再確認をする」

「Aチームは慈愛のアムと慈悲のイム」

「御意」 「了解よ」 「承知した」

3人は先程の喧嘩は嘘のような程に息ぴったりに返事をした。

「次にBチームは忠誠のカルマ」

「任せてくださいっす!」 「承りました」

「そしてCチームは無情のハーメス」

「はいなのです!」 「うぃーっす」

ムーランはけだるげに返事をし、ヴェオラは可愛げのある元気な声で返事をした。

「俺は五神の王の中でも並外れて強い破滅のシヴァレスを殺る」

皆の顔からは笑顔は消え集中モードに入った。

先程の賑やかな会話などは無かった。

「奴らは魔力を取り戻すためにガラットへ行くはずだ。魔力が戻る前に殺す」

「「御意!」」

「5日後にこの王国を出る。これで会議を終了にする」

各々は無言のまま立ち去っていった。

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魔王の逆襲 黒泉杏哉 @KYOYA0722

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