第25話

星の降るような、やわらかな闇のなか、アンジェラは、男と手を繋いで唄います。


遠く、遥か遠い、時空の先の、まだ見ぬ未来の歌を。


やがて。


アンジェラは、翼を脱ぎ捨て、じぶんの足で、歩いていきます。男と、ふたり。


風が、ふたりを包み、そうして。

アンジェラは、その名を捨てました。


風が、それを、さらってゆきました。




<おしまい>

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

『やわらかな闇』 ぽふ、 @a-piece-of-harmony

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ