錆びついた妖精

@miki_omutan

第1話

女の子が大人になるには、ユメとキボウが必要だ。

(男の子もそうかもしれないけど、アタシには女の子のことしかわからない)

このユメとキボウはある日、妖精の姿で女の子の前に現れる。

アタシの妖精は、鉄でできていた。

他の子たちの妖精はキラキラしたお洋服とふわふわの髪をしていた。

アタシの妖精は鉄でできていたので、気が付いたときにはすっかり錆びついてしまっていた。もう動かなくなったそれが私のユメとキボウだった。

大人になった頃、アタシ以外にも鉄の妖精がやってきた人は結構いたことを知った。妖精は鉄だけど、ピカピカに磨かれて、どんなふわふわの妖精にも負けないくらいキラキラで。

アタシはようやく、妖精が鉄だからといって何もしなかったことこそが、

アタシの妖精を錆びつかせてしまっていたのだと気が付いた。


アタシの妖精は今からでもピカピカに磨きあげられるだろうか。

無理だよと言われるのが怖くて、アタシは今日も錆びた妖精と自堕落している。



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