高校に進学した知華は、ギリシャ彫刻のように見目麗しい先輩鷹能にうんりょーへ連れて行かれる。
そこは吹奏楽部の活動場所であり、彼が住んでいる場所で……。
とても純粋な恋愛ものですが、主人公たちの気持ちと平行して、吹奏楽部の演奏や練習風景が大変丁寧に描写されており、まるで音楽を聴いているような躍動感ある物語でした。
二人を取り巻くサブキャラもそれぞれの特徴が活かされており、脇役同士の恋愛もわくわくドキドキで見逃せません。
そして行き着くところは「アモーレ」。
情熱的な愛が、恋や音楽や人生にとても大切な要素だと教えてくれます。
さぁ、あなたも一緒にうんりょーを覗いてみませんか?
中学時代、剣道部で一つの挫折を経験し、今後は気楽にスクールライフを楽しみたいと思いつつ高校へ進学した知華。
そんな知華をまるで攫うかのように吹奏楽部へと誘ったのは、ギリシャ彫刻のように高貴な美貌を持つ男子上級生だった——。
努力家で前向き、明るい性格を持つ主人公・知華が思いもよらず入部することになった吹奏楽部の何とも独特な環境。そこで彼女とユニークなメンバーがぶつけ合う、音楽への溌剌とした情熱と真っ直ぐな恋。
共に切磋琢磨し、時に熱く人を想い、時に衝突し……それぞれの真摯な想いは、どんな方向へ進んでいくのか。
目標を持ち、努力を重ねることの大切さ。本当に人を愛するという意味。まだ初々しい心で目の前の困難に真剣に向き合い、乗り越えようとする、まっすぐな強さ。人間として成長し、しっかりと人生を歩むために欠かせない大切なメッセージが、物語の中にぎゅっと詰まっています。
そして——この物語の主人公が、「子ども」の年齢を抜け出したばかりの清らかさを持っているからこそ、こんな風に微笑ましい思いで彼らを応援できるのかもしれない。読みながら、ふとそんな気持ちにもさせられました。
若々しく前向きなパワーに満ちた、爽やかな物語です。
高校生。吹奏楽部。これだけで、心躍る恋愛模様が期待できる。
そこに、一風変わった男子生徒を恋愛の対象に置く事で、今までのテイストとは違った恋愛小説が生み出されているのがコチラの作品☆
基本的には、二人の『恋愛』を紆余曲折を経て育む流れになっているが、個人的には吹奏楽部の演奏シーンがとても好きです。高校の吹奏楽部としては大所帯の部類に入る規模で、それぞれのパートを細かく、時にコミカルに表現する演奏描写は、客席で生の演奏を聴いているような錯覚を得る事もできるかと☆ 特にパーカッションの豊富なレパートリーが新鮮です♪
個性的なキャラクターが溢れる大所帯の吹奏楽部。
別の人物でスピンオフのような作品も期待したくなります☆
まるで少女漫画を見ているかのような可憐かつドラマチックな純愛です。
一度味わった挫折を忘れるように進学した学校で出会った先輩と、彼に導かれて足を踏み入れたうんりょー。
(そしてそれより先に発足していた謎の宝塚ファン的存在、トラ子ファンクラブ)
濃厚なメンバーたちと実際は普段あまり目にすることのないトラ子ファンクラブの皆様に支えられつつ、謎の音楽系部活動で、来たるべき大会に向け日々成長していくヒロインとうっちー(噛ませ犬)。
マナミーズらサブキャラのみなさんが脇を固める中、躍動するのは主役級扱いのトミー&ヨッシー(でっていう)。
戦闘シーンでは咲綾先輩が繰り出す怒涛のブリザードに耐えた男が振るうタクトから発動した「スケルトン・スケルツォ」がジョジョっぽい!
その中で明かされたヒロインの恋い焦がれる先輩の謎とは? そしてうっちーが加入したトラ子ファンクラブの解体の危機とは? ジローラモさん口調で脳内再生されてしまうセリフを停止するスベはあるのか?!
え? 「トラ子ファンクラブとは何か?」ですと? それはですね……
(ネタバレ自粛)
ネタバレを避けたいのであまり多くは書けませんがレビューを。
主人公ペアをはじめ、登場人物たちの「あなたが好きだ」という心が時にすれちがい、時に心重ねる描写や出来事に読んでいてとても気持ちが盛り上がります。
また、合奏シーンなどの音楽を表現する箇所は、とても難しい部分かと思いますが演奏経験の無い私でもストレスなく読み進められることができました。とてもすごいことだと思います。
この2点が個人的にとても印象的な、素敵な作品でした。
追伸
登場するキャラクターがとても愛らしいです。
どのキャラが、こうでこうでとはあまり書けませんが、個人的にドラムを頑張るウザキャラ筆頭の彼は、いつかドラム奏者として開花してほしいと思いました。
彼に幸あれ。
この物語のタイトルであり舞台となっているうんりょーとは、とある高校の吹奏楽部の部室棟のこと。
これがもうもう本当に音の煌めきに充ち溢れた、夢の詰まりまくっている青春そのもののような場所なんです!!
音を文章で表現するのって、とても難しいですよね。並々ならない筆力が要されるかと思うのですが、この作品に描かれる音の描写は本当に生き生きとしていて耳の奥から金管・木簡・パーカッションの音が本当に聴こえてくるかのようです。作者様の確かな実力が為せる業なのだと思います。パート練習、音の粒をそろえる地道な作業、みんなでひたむきにコンクールに向かって頑張る姿、そしてあのコンクール特有の神聖な雰囲気…!
吹奏楽部経験者であれば、あああああ懐かしいなぁ…!と心があの時代に引き戻されていくこと間違いなしです…! 吹奏楽部未経験者の方であれば、主人公の知華と共に吹奏楽部ってこんな世界なんだなぁと知ることができ、その輝きに魅せられて心がわくわくしてく仕方ないことでしょう…!
そして、忘れてはならないのがこの作品のメインヒーローにしてときめきの伝道者(?)、ギリシャ彫刻こと鷹能先輩…!!
何度この絶世のイケメン先輩に胸をときめかせられたことか! この先輩が本当にハイスペックでして、顔立ちもさながら、発言も完璧にイケメンなんです。そして、実は家庭的な一面があったりするという可愛さも兼ね備えていて、最強です。ずるい、こんなの惚れないわけがない、ですがそれが良い…! 読むごとに知華に心がリンクしていき、彼に翻弄されてドキドキしたり胸が締め付けられたりしておりました。
知華と鷹ちゃん先輩はもちろんのこと、そのほかにも個性的で可愛い登場人物たちが沢山登場して、一人一人のことが愛おしくなるのです。メインの二人以外の愛の物語にも心揺らされました。
うんりょーという青春の輝きに充ち溢れた場所で織りなされる青春物語。是非あなたもこの物語を読んで、音の煌めきと情熱的な愛に心をときめかせてください!
吹奏楽部を舞台に描かれる恋愛モノです。
吹奏楽なんて興味も無かった主人公知華が、先輩から熱心な誘いを受けるというのが序盤のストーリー。
それから次第にこの先輩の事を知り、やがては恋に発展するのですが、その流れがまさに王道です。王道というと一つ間違えばありきたりといった評価を下される危険もありますが、この話に限って言えばそうはなりません。キャラの個性や心理描写がしっかりしているおかげで飽きることなく物語の世界に入り込めます。きっと作者様の高い文章力がそうさせるのでしょう。特に演奏シーンの描き方は実に上手で、小説という形で音楽を見事に表現していました。
そしてこの物語における恋愛でカギとなるのが家柄の違い。一般庶民のヒロインとやんごとなき家柄の先輩との間には格差があります。感覚の違いに戸惑ったり、周囲からの反対は避けられません。それでも段々と惹かれあい、絆を深めていく二人の様子は応援せずにはいられません。
直球な青春物語を見たいという方は、是非読んでみてください。
こちらの作品、一言で言うとリアルに恋愛を楽しめる作品となります。
内容としましては、学園青春モノとなりますが、王道を行くかと思いきや、いきなり訳あり先輩に振り回されるところからスタートし、多彩なキャラがこれでもかと、ストーリーの起伏を生み出してきます。そのため、先が読めそうで読めない展開に、ハラハラドキドキはもちろん、どこの◯◯が出てきたりと、容赦ない展開が待ち受けてます。
さらに、本作品のテーマはただの恋愛ではありません。まさかのテーマに、中盤あたりでは等身大の女の子の本音も見えたりします。
そんな意外性抜群の本作品、ちょっと甘めの恋愛を体験してみたい方にはぜひオススメです!
舞台設定の一つ、吹奏楽部の演出には本気でやられました!!