§5-3-5・だから財政ファイナンスは辞めるべき(前編)←量産型高能力武装運用システムD1・ドレッドノート級前衛航宙艦の拡散波動砲、撃ちまくりでも敗北の予感…┌(_Д_┌ )┐

これまで二話に渡り、構造主義的アプローチから現代文明すなわち人間の社会活動は近親相姦をタブーとすることで成立したという話をした。これは「文明の構造」は本質的に資本主義であり、個人資産を蓄積するに及び「近親相姦」つまり「親を同じくするモノが結合してはならない」構造に進化した。もし「したら、社会は信頼を失い崩壊する」という構造こそが「文明」だったのである。


現代的なジェンダー論からいえば受け入れ難いかもしれないが、人類は「女性」という「宝物」を交換する事で互いの信頼を構築し、共同共和共存の平和な文明を構築していったのだ。


ということは、人類文明は「同根から派生した事象は再結合してはならない」という構造があると仮定できないだろうか? やれば「信頼」を喪失する行為だ…と??

この視点から、現代管理通貨制度下における財政ファイナンスを考えてみる。


財政ファイナンスとは政府発行の国債を中央銀行が引き受けることだ。

つまり中銀が国債を直接(実は間接でも良いのだが)購入することで通貨の供給量を増やすという事だ。金利分を考えなければ、国債分だけ政府がカネを刷ったのと同じことになる。そして通貨量膨張によってインフレが発生し、結果、経済成長に結びつく…という算段だった。ただし物価高になり、貧富の格差も生じやすい。この格差対策を怠れば、まさに財政ファイナンスを指導した戦前の高橋是清のように殺されかねない。やはりインフレは国力増強だけでなく生活苦をももたらす「両刃の剣」だった。そのため財政ファイナンスは「インフレ」という「悪魔」を生み出す所業とされ、タブー視されてきたのだ…


そこで、軽く通貨と国債の歴史を振り返ってみる…m(_ _)m



  ※     ※     ※

  


はるか昔、物々交換の不便さから金銀などの希少金属を使った「硬貨」が生まれた。希少性(=違法複製の難しさ)と耐摩耗性(=すぐ錆びたりボロったりすると貴金属の含有量が減り、その分価値が下がる)などから金銀銅がよく使われた。どこに行っても価値が代わりにくいからである。


では紙幣はどうやってできたのか?

紙切れには何の信用もない。しかも簡単にボロボロになるのに…(?_?)

紙幣の歴史的展開には国によって差異があるが、日本で言えばこんな感じだ(^^)/


江戸に住んでる人が大阪に出かけることになった。道中、多額の金銀銅銭を持ち歩くのは泥棒などに狙われたり、そもそも重かったりと不便だ。そこで江戸のゼニ屋「高瀬屋」さんに行き、まずある程度のゼニを預ける。たとえば100両ほど…。


この時、高瀬屋から「100両預かりました」という証書つまり「手形」を発給してもらい、これをもって大阪に出かける。今度は大阪で江戸の高瀬屋と取引のあるゼニ屋に行き、そこで手形を渡していくらか…たとえば10両ほどの現金を下ろす。この時に小判10両+新しい手形(=差し引き残金90両分)を発給してもらうのだ。こうして大阪で10両分を飲み食い土産に使い、差分の決済は江戸と大阪のゼニ屋同士が直接行うようになった。この場合は手形の控えを計算し、江戸の高瀬屋が大阪側に10両支払う…ということだ。


こうして現金の代わりに「手形」を使うようになり、この手形が後に「紙幣」になった。紙幣は「所有権がコロコロ変わる」という「特殊な手形」だったのである。またこの時のゼニ屋だが、古くは運送業などで遠隔地に頻繁に行き来する質屋や土倉どそうなどであり、やがて金融決済を重点的に行う両替商に成長した。そして現在の銀行はこの両替商の進化発展形なのだ。

よって紙幣は金銀銅などの現物の銭をバックボーンに生まれた「特殊な手形」であり、銀行は両替商…みたいな感じだ。


これを整理発展させ、GOLD(=地金)を中心に確立させたのが金本位制で、英国が1816年に成立させた貨幣法が嚆矢と考えられている。なので紙幣は「現物のGoldと交換できねばならない」手形だった。このため紙幣は「兌換銀行券(だかんぎんこうけん)」と呼ばれた。当時の紙幣にはGOLDという現物資産の裏打ちがあるので「紙くず」にはならず、事実、かつての日本でも紙幣を銀行にもっていけば一定のレートでGoldと交換できた。


これを踏まえて中央銀行と政府、通貨と国債との関係を考えてみる。

国債は政府が発行する。税金以外の収入源だ。借金なので担保が必要だが、これは国民資産の一部を「租税」として徴収したうちの更に一部を「国債費」として充当して発行する。つまり国債の担保は国民資産だ。他方、中央銀行は保有しているGoldが担保だ。


政府←国債 (国民の税金を担保に建てる借金)

中銀←Gold (貴金属のきんを担保に紙幣を発行)


…ということで、理論上は、中銀が保有するGoldの分だけ通貨を発行できる。

わかりやすい(๑•̀ㅂ•́)و✧

つまり通貨はGoldに依拠し、国債は税金を元にした債権しゃっきんなのであって、本質的に両者は「別のもの」であって、特に連関はないのだ。


そして中銀が保有するGoldで通貨を発行し、この通貨供給量に見合う経済活動をするのが金本位制の基本スタンスだ。他方、政府は「余計な事(戦争を含む)」をするために増税したり、更には国債を建ててカネをゲットしようとする「浪費家バカモノ」だ。


そこで中銀は多額のGoldを保有し、いざという時の兌換に備える一方で、金融操作等によって過度なインフレを防止して物価の安定を図りつつ、同時に適度な経済成長と、状況によっては失業問題にも対処した。あわせて政府に対しては多額の国債を発行させないように「金利を高めに操作して」財政再建を促したりするのだ。国債を市場から購入して市場に紙幣を撒いたり(=国富増強)もするし、国債の購入益および売買益などを使ってGoldを買い増しては基礎体力を増強し、後の通貨供給量の増加に備えたりもした。


しかしこれはあくまで理想論で、実際には一度たりとも国家の全金融資産をGoldに兌換出来るほどきんを蓄えた中銀などない。ということは政府の財政運営が重要になってくる。もし政府が多額の国債を発行しすぎたり経済政策に失敗すれば、インフレや国力減衰→貿易赤字拡大や投機的思惑などから海外にGoldが流出してしまう危険性があった。またリスクを感じた国民が紙幣全額を一斉にきんに兌換されでもしたら一瞬で国家破綻してしまいかねない。このような市場の混乱を抑圧し、市場と市中金融機関を管理統制して「自国通貨の価値を守る」のが中央銀行の役割となった。


つまり国力を増強したければ借金などではなく「ちゃんと働いて稼いで、ゴールドに換金出来る紙幣を貯め込むこと」が基本だった。


しかし問題が出てきた。ちゃんと働いて稼ぐということは経済活動が活発になるということだった。その結果、常に「全通貨発行量 > 希少金属のGoldの保有量」の状態に陥ってしまった。経済活動の進展に比べ、Goldの産出量が少なすぎたのである。経済規模の拡大に見合う通貨発行量をまかないきれない…という事は「デフレる」ということだ。これは良くない。特にケインズなどはかなり早い時期から金本位制を辞めるべきことを提言していた。そして事実、そのとおりになった。1971年8月15日のニクソン・ショック以後、金本位制は停止され、10年程度の試行錯誤の末に現在の管理通貨制度に移行した。管理通貨制度とは「紙幣とGoldが交換できない・しない制度」でもある(←「いまだけ一旦辞めている。ただし解除は永久に先送り」の場合も含む)。




○ここで管理通貨制度下の通貨と国債との関係性を考えてみる…m(_ _)m


まず政府が「国民資産の一部を税金で徴収し、さらにこの一部を使って国債を発行する」事は、金本位制の時と変わらない。他方、中銀の仕事もまた「自国通貨(カネ)の価値を守る」ことだ。これも変わりない。しかし大きく違うのは「もう紙幣とGoldは交換しない」ことだ。もはやGoldは通貨の担保にはならない(資産ではあり続けるのだが…)。ではGoldに変わる「通貨供給の裏打ちとなるもの」は?


ふむう…(๑¯ω¯๑)??


そこで管理通貨制度下における一般的な通貨供給の話をもう一度考えてみる。現在、中央銀行が管理する「通貨」は「国債」をベースに生み出される。


「通貨と国債の関係について 〜シニョリッジの正しい解釈と100億円札がない理由」

https://kakuyomu.jp/works/1177354054884987864/episodes/1177354054885010173


管理通貨制度においては、通貨は主に国債によって増発される。国債とは「政府が返済に関して無限大に責任を負う債権」であり、現代の通貨は国の「無限責任」をベースにカネを生み出している。「国家への信頼」が通貨の担保だ。ダメ国家の通貨が紙くず扱いなのは「その国に信頼がない」からだ。ダメ国家は国民資産を倒潰とうかいさせかねない。自滅して価値を毀損きそんするリスクがあるのだ。つまり「国力=国家の強さ=その国への信頼=国債=通貨」なのである。


そして国債は「ある国家が過去現在そして未来永劫に算出する全国民資産の一部を税金として徴収し、この税金の一部を担保に発行する債権」だったはずだ。

そして「国債=通貨」ということは…?


あれ… (;一ω一) ジィー??

国債、通貨のどちらも「全国民資産」をベースにしてるではないか?

そういう事だった…。

-----

管理通貨制度における政府発行の国債と中央銀行発券の通貨との関係性は、


・国民政府 ←現在〜未来永劫まで続く全国民資産の一部を税金として徴収し、国債発行の原資とする(=国民資産を担保に建てる借金)


・中央銀行 ←現在〜未来永劫まで続く全国民資産を担保とした国債を原資に通貨供給を行う(=国民資産が通貨の担保となる)



結局、ルーツは同じということだ。金本位制の場合、「国債=国民の全資産」・「中銀=地金のGold」という、それぞれ全く違う資源をベースにしていたのに、管理通貨制度下ではどちらも同じ「国民資産」をベースにしてしまったのである。「親が同じ」兄弟姉妹なのである。


あれ…(๑¯ω¯๑)??


ならば、通貨供給の裏打ちが国債と同じ国民資産であるということは、中央銀行が守るべき「自国通貨の価値」とはその国の過去現在〜未来永劫に至る「全国力そのもの」…と考えるしかない…(゚д゚)!?


一つの国民国家の有形無形の全資産〜それも現在から未来永劫に続く国民国家そのものを「資産」と勘定し、この資産価値を守る事が自国通貨の価値を守るという事だ。たしかに国力が衰えれば自国通貨は暴落し、悪性のインフレが発生する。なら、これを適切に管理することが通貨の価値を守ることになる。管理通貨制度に移行した結果、中央銀行は従来の市場と市中金融機関を管理してインフレと失業に対処するだけでなく、「国家」という「資産」の管財人の役割まで持ち始めた。日銀は日本国の管財人なのだから、政府に対して「現在・過去・未来の全国民資産(=カネ)」の価値を守り、保全させるのが中銀の仕事に進化したのである。


えっ…(゚д゚)!?

なんかそれ、規模がでかすぎて凄くね…(゚д゚)!?

そこで日銀がどう考えているかを確認してみる。


【日銀】つ「銀行券が日本銀行のバランスシートにおいて負債に計上されているのはなぜですか?」

https://www.boj.or.jp/announcements/education/oshiete/outline/a23.htm


ここをよく読んで見ると、恐ろしいことが分かる。

管理通貨制度に移行した後、日銀は何を担保にしているか「ハッキリ明示していない」のである(爆死)


もっと気持ち悪いことに、この文面の後半は全て歯切れが悪い。金本位制の時には「金と紙幣を交換しますお(^^)/」…と言い切っている潔さに比べて、管理通貨制度に関しては「じゃ、政策運営の健全性を…」とか「なお、海外の主な中央銀行においても、こうしたバランスシート上の取り扱いが一般的となっています」みたいな、なんか言い訳みたいなことばかりだ。


これはつまり「不確実な未来まで含んだ国民の経済力を資産と仮定して、その資産を担保に現在のカネをバラ撒いてるんです」と言ってるだけの事なのだ。当然だ。「国債=通貨」の形で通貨供給量を増やしているのだから、この理屈しか筋が通らないのである。ルーツが同じ…つまり国債と通貨は本当に「血の繋がった兄弟姉妹」になってしまったのだ。


…(゚д゚)!?

ということは現代の通貨制度は、元が同じ資産を二つに分け、それをもう一度結合しているだけの作業に過ぎないのではないか?


まるで「2つの薬室からそれぞれ右旋波・左旋波の波動エネルギーを直列射出した後、砲口内のスプリッターによって波動エネルギーが左右の旋波に一旦分離され、この後にエネルギー噴流として放出する」地球連邦軍ご自慢の「量産型高能力武装運用システムD1・ドレッドノート級前衛航宙艦」の拡散波動砲のようなシステムだ。右旋回が国債、左旋回が通貨。そして市場ターゲットに対して狂ったようにカネをバラ撒く拡散波動砲のようなシステムが現行の管理通貨制度だったのである。元はどっちも同じ国民資産波動エネルギーなのだから…(゚д゚)!?


てか、これだったら拡散波動砲(←金融緩和)、うちまくりの理屈も分かる。

未来永劫の国家の資産なんてものは、無限に広がる大宇宙くらいの天文学的な数字に積み上がっていておかしくない。今日の段階では確認のしようもないからだ。数億年後の日本の資産がどれくらいかなんて分かるわけない。しかしこの時間と空間を統合した「無限に広がる大宇宙(←国民資産)」から「現在未来価値資産(←エネルギー)」の一部を汲み出して「カネ」として火を噴いているのが現在の通貨制度だったのだ。いまや世界各国が拡散波動砲をもつ戦艦を保有しているのだ。


だからこそ2020年の新コロ・パンデミックによる経済打撃に対し、全世界でいきなり1,300兆円もの債務を建てることが出来たのだし、国債と公開市場操作を使ってバンバン通貨をバラ撒いたり出来たのだ。「何もない真空からカネを生み出している」ようなものだ(ただし量子的には真空にはエネルギーが詰まってるとされてるが…)。


これこそがリバタリアンやコミュニストが言う「管理通貨制度はよく出来た詐欺」という所以ゆえんだったのである。


昔のように金銀銅のような現物資産の裏打ちもなく、「将来の国民資産」なる不確実なる物を資産として(勝手に)「信頼」してカネと国債の原資にしていた。現物資産など「ない」。あるのは「将来、稼いでいるであろう国民の富の総額」であり、その実数は全く不明だ。分かるわけない、不確定な未来のことなど…。我々は、そんな物をベースにカネを刷っていたのである。多額の債務を建てても「未来永劫までの間に、このくらいの負担、回収できるんじゃね…ಠ_ಠ?」的な感覚で、やっつけた仕事だったのかもしれない…(呆れ



…( ゚д゚)ハッ!


ということは「逆」なのである。

管理通貨制度とは「国民資産」をベースに、国債(=政府債務)と通貨とを両天秤にかけてバランスを取りながら通貨供給量を増やし、経済成長を目論むシステムだったのだ。


元が同じ「国民の総力」を国債と通貨の二つに分け、両方を適切に市場に投入してインフレ・デフレのコントロールと失業・産業力強化に努めるのが管理通貨制度の本質だった。このため「政府は国債」「中央銀行は通貨」の信認を守る事を第一とし、この信認が永久に担保され保証されると「信頼」することで始めて成り立つ制度だったのである。ということは、「国債」と「通貨」は「別の物」として管理運営されるべきということだった。よって管理通貨制度下にある国家において…


一番大事なのは「カネ」 ←×

一番大事なのは「信頼」 ←◎


信なくば立たず…(๑¯ω¯๑)


国債と通貨とをごっちゃにすることは、この両者の境目が無くなる事である。近親相姦が資本主義において絶対タブーとされているように、ルーツが同じ血のつながった者同士が混交することは、自分の資産の安定的継承を不確実にする行為であるばかりか、他者とのつながりを断ち切る危険な行為だったはずだ。世界に広がるヒトとモノとカネの自由な移動は「信頼」によって成り立つ。この信頼をふっとばす悪事の最たる例が、国債を中央銀行が直接買い入れる事、すなわち財政ファイナンスだ。通貨と国債を直接「交換」する行為は「国債と通貨とが、市場の信認を得る前にごっちゃになる」行為だからだ。カネに困った政府と中央銀行が一緒になってやりたい放題の事をすれば、市場の「信頼」が崩れる。世界の協調共和を破壊する行為だ。



そこで続く中編・後編では財政ファイナンスを行うと、どのような混乱が生じるのかについて説明を続ける。

ちな、この近親相姦によって生まれる子供はインフレという名の悪魔だ。並大抵の赤子ではない。管理することが難しく、しかし有能で有力な「やりたい放題」なドラ息子にして全人類を破滅させる力を持った恐るべき無敵の魔法使いのような存在だ。人間の手に余す子だ。よって「してはならない」←これ一択だ。



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