第2話

「それでは思い思いに作ってみてください。」

少しふくよかな女性教諭が皆に言う。今日は月に一度の特別授業。

「よし、やるぞ」とジンク

「そんな気合い入れんでも」あきれ気味に言うガラリ

「今日こそ上手く作るぞ」意気込むルイス

みんな少し大きめの作業台の前で準備している。


一方、チルマは粘土人形を素早く作りあげた、一体は犬の胴を長くしたような形の動物、もう一体は筋骨隆々の大猿、一体ずつに手をかざし集中する小さい青色の光が集まって球体になった、手で押し込み人形に入れると人形からその動物が出てきた

「やったぁ」

嬉しそうなチルマの声

「まあ、皆さん聞いてください、チルマさんは最短でこの二体を作りました、喜ばしき事です。」

「へぇ~」

「へぇ~って自分の事なのにまるで他人事みたいに言うんだな」

「ルイスくん」

「威張れとまでは言わないがスゴいことだ」

「うん、ありがとう」

「僕は羨ましいよ、その君の器用さがさ」

そういって見せてきたのは何かグチャッとした物体だった、良く見ると足らしきものが四本あり尻尾もあるので動物だと思うが頭らしきところには耳のような角のようなものが二本乗っていた。

「ねこ?」

「そうだよ、ねこだ、スゴく分かりにくいけどね」


「魂込めもまだ上手くできないし」

「それは他の生徒も同じだよ?」


「私仕上げをしちゃうから少し待ってて」

そういうと作業台に向き直り、心のなかで話しかける

「ロイ、からだの調子はどう?」


「ちゃーたん、僕、左の前あんよが痛いな」

「わかった、作り直してみるから待ってて」

「うん」

そういうと、チルマは自分で作った粘土人形に手をかざして集中した、そして何かを引っ張り出すような動作をした。

粘土からは青い光が引っ張り出された、ロイの魂だ「次は、」そういうと、左足の造形が甘かったのを今度はしっかり作り直し、ロイの粘土人形に取り付けた、

「よしっ」

チルマはもう一度集中をし青い光、ロイの魂を粘土人形に戻した。

「どう?」

「うん、大丈夫だよ」

ロイと呼ばれた小さなドラゴンは頭を撫でられながら尻尾をパタパタと振りながら嬉しそうだった。


「ちゃーたん、オイラは?」

次は大猿が話しかけてきた

「ゴウ、体は重くない?腕とかどうかな?」

見上げるくらい大きな大猿だが、顔はまだ子供のそれで、親指をしゃぶっている

「ううん、どこも痛くないし体も軽いよ」大猿は自分の体を見回しながらそう言った。

「そう、良かった」

ぎゅっと抱き締めるとゴウも嬉しそうにしている。

ルイスはボソッと

「…羨ましいな」

とつぶやいた。


「では皆さん、今日の学習の復習も忘れずにするようにしてくださいね。」

女性教諭が授業の終わりをみんなに伝えている。

「さあ、おいで」

チルマは今日の授業で作った粘土人形を鞄にしまっていた。


「ところでさ、チルマの家には何体くらい粘土人形があるんだ?」ジンクが話しかけてきた。

「今日のと追わせて7体くらいかな?」

「結構いるんだな。」

「そんなこと無いよ、始めは私何も作れなかったから」

「でも、今では幼い魂だが魂入れできるようになってる。」

「それは、お父さんに聞いたり、帰って予習したからで、すぐにできた訳じゃないよ?」

「それだよ!」

「家に師匠がいるんだもんな!」

「師匠って言ったってお父さんにはほとんど聞いてないよ?」

「ほんとかなぁ?」

「ほんとだよ、じゃあ私急いでるから」

「ちょっと、おい」

そう言い、足早にその場を離れたチルマ

「ただいまぁ」

家に帰ってきたチルマ

「お帰りなさい」

お迎えしてくれたのは、猫の顔をした二足歩行であるく粘土人形だった。可愛らしくエプロンをしている。身長はチルマよりも一回り小さいくらい。毛色は銀色に近いグレー、大きな瞳は薄いブルーきれいな猫だった。

「お父さんは?」

「今日は納品日なので出てるんですよ、朝も言いましたよ?」

「そっかあ、私今日の授業の事考えてたからなぁ」

「お夕飯はもうできてますよ、先に食べておきますか?」

「うん、そうする」

「じゃあ準備しますね。」

「お願い」


「ごちそうさま、美味しかったよ」

「よし、じゃあやるか」

そういうと、テーブルから立ち上がり今日の授業の復習をするようだ。

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土の粘土の人形師 @makion81

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