死神の生前物語

《7年前》

「瑠璃ー!今日校長室にイケメンが入ってたけど転校生かな?うちらと同じ4年生って言ってたけどクラス一緒がいいなぁ!」


「はりきりすぎよ。うるさい。本読めない」


「あーもう!瑠璃にとって本は親友の私より大事なの?彼氏なの?」


「残念。私の部屋には沢山の本があるわ。私は浮気するような女でも尻軽女でもないの」


「瑠璃ってほんとに親に似てないよねぇ……お父さんもお母さんもあんなに優しいのに」


「その発言は『私は優しくない』とも受け取れるんだけど……」


 その時、ドアが開くのと同時に先生の「静かにしろーー!」という声と逢坂仁が教室に入ってきた。


 小学四年生の夏、ひぐらしが鳴くのをやめた頃、二人は出会った。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

生死神(いきしにがみ) 海辺の鳥 @kazunaru

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ