第19話 噂の凶悪転校生

 無事に職員室から脱出してしまった明海。そんな彼女を拘束する為、ヤツを追ってる途中に仲間の大塚先生が倒れている姿を発見し、白城先生は直ぐに駆け寄った


「大塚先生!大丈夫ですか!」


「ああ、平気だ。ただちょっと・・・、しばらく能力は使えなさそうだ」


 女の身体になりうずくまる大塚先生を見て白城先生は言った


「もしかしてまた生理ですか? だから女の身体に安易に入れ替わるなと言ってるのに」


「ちがう・・・・」


 大塚先生は白城先生の袖を掴んでこう静かに言った


「白城先生・・・・あなたの子よ」


「よりにもよってなんて世界を上書きしたんです!」


 白城先生は動揺した!大塚先生に蹴りをかます


「あん、男性のあなたは優しかったのに・・・」


「知りませんよ男性だった私の事なんて! 風紀委員会に連絡し明海さんを確保する様に連絡します!」


 白城先生は携帯を取り出し風紀委員会に連絡した


「白城よ」


「はっ!どのような御用でしょうか白城先生!」


 電話には風紀委員鎮圧執行部2番隊隊長の剣・つるぎ・りんが出た。白城先生は彼女に要件を伝える


「あなた達に頼みがあるの、直ぐに明海・花梨の身柄を確保してください。しかし彼女には絶対に直に触れないように」


「彼女の能力と関係があると言う事ですね。了解しました暴徒鎮圧用のパワードアーマーを隊員全員に装備させます。他に気をつけることは?」


「それは・・・・あ」


「どうしたんですか白城先生?」


「その、大塚先生が追跡中に負傷しまして、悪いですが保健委員に手配してくれる」


「大塚先生が・・・何時もの事故ですね。どんな症状でしょう?」


「その・・・言い難いのですが・・・・・・・おめでたです」


 白城の言葉に剣は混乱し叫んだ


「大塚先生が追跡中に男性にも関わらず女生徒に孕まされた!?」


「えっと、違うのよ! これは・・・」


 どうにか誤解を解こうとする白城の肩を大塚が掴んで言った


「そうよ・・・」


「大塚先生!無理しないで!」


 そして、大塚は電話に口を近づけて何かを言おうとした。その気配を電話越しに察し、剣は混乱しながらも言葉を待った


「・・・?」


「白城の子よ・・・」


「なんですとおおおおお!?」


 大塚先生に告げられた大問題発言に剣はさらに混乱する


「余計な事を言わないでください大塚先生!混乱させるじゃないですか! 違うのよ!確かに私の子らしいけどそうじゃないから!!」


 急いで白城が大塚先生を押しのけ、電話に出たか時はもう遅く


「子種は白城先生のッ!?卵が種に!? 生命の神秘を超越している。…わかりました、直ぐにその極悪エルダーサキュバスをとっ捕まえて去勢させてやります!」


「えっと、剣さん! 何か誤解してない!? まって…」


 剣は携帯を切り、出動してしまった


「・・・・どうしましょう」


         ・

         ・

         ・


 白城の連絡を受け明海の捜索に乗り出した鎮圧執行部2番隊


「探せえ! すぐにあの淫獣を捕まえるんだ! 決して奴には直に触れるな!性別関係なく孕まされるぞ!」


「スパロー1了解」「スパロー2了解!」「ドルフィン3了解!」


 隊員たちの答えを聞いて隊長であるスパローリーダー剣は混乱した


「ドルフィン3!? スパロー3はどうした!キサマ6番隊だろ!」


 ドルフィン3はスパローリーダーの質問に答えた


「スパロー3から限定スィーツを確保できたから代わってくれと頼まれまして。ウチの隊長の許可は取ってあります」


「スパロー3め、一大事だと言うのに・・・。しかたない!臨時で私の指揮下に入る事を許可するドルフィン3!」


「はっ! ありがとうございますスパローリーダー!」


「よし、総員出撃ぃ!」


「発進!」「発進!」「行きま~す!」


 掛け声がそろって無い事にスパローリーダーが注意を促した


「声を合わせろドルフィン! 士気が落ちるだろ」


「すみませんスパローリーダー。ウチの隊はこれだったんで」


 続いて他の隊員が発言しだす


「スパロー1からスパローリーダーへ。別にどうでもいいじゃないですか隊長」


「スパロー2からドルフィン3へ。ウチの隊長神経質だけど気にしないでね」


「はは、ドルフィン3了解」


「了解するなドルフィン3! 隊長は私だぞ!」


 スパローリーダーのツッコミで部下の隊員全員が笑った


「「「アハハハハ」」」


 スパローリーダーは頭を押さえながらため息をつくと


「全くお前たちは・・・・。ぬ!目標発見!」


 スパローリーダーは明海を発見した。その声を聞いてスパロー1が光学センサーを明海に向けてこういった


「画像分析、データ照合・・・本人に間違いありません!」


 スパロー1の報告を聞いて、スパローリーダー指令を出した


「よし!スパローリーダーから全スパローへ、目標を確保せよ!」


「スパロー1了解」「スパロー2了解!」「ドルフィンだけど了解!」


 クンクンの鼻を鳴らしながら食堂に向かう明海花梨


「クンクン、こっちから彼の匂いがする・・・くんくん」


 その光景を見たスパロー1はパルスガンを向け明海に警告した


「うわ、犬みたい。流石は淫獣ね。・・・そこのピンクの女生徒止まりなさい!」


「見つかった! てい!」


 明海は近くを歩いていた生徒い触れて能力をコピーした


「レーザーか、てい!」


 明海はスパロー1にコピーした能力でレーザーを放った


「ビュウウウウウウウウン!」


 スパロー1はレーザーを予知能力で躱し、明海にパルスガンを放った


「ピュピュピュピュン!」


 それを明海は攻撃を躱し全速力で走る


「そんな攻撃当たるものですか!」


「じゃあこんな攻撃はどう?」


 回り込んだスパロー2がパルスショットガンを発砲し応戦


「なめるなあ!」


 明海は拡散レーザーで攻撃をすべてはじき返した。それを見たスパローリーダーが驚きの声を上げる


「こいつ、ただの淫獣じゃない!?」


「あ、見つけた!ダァーリン♡」


 明海は藍人を発見し、彼に向かって混沌とした食堂の中を全速力で走って行った。それを見たスパローリーダーはこう判断した


「食堂の騒ぎに紛れてかく乱する気か! おのれ!」


 ドルフィン3がスパローリーダーへ発言する


「ドルフィン3からスパローリーダーへ。テレポート爆雷の使用の許可願います!」


「聞いたことない装備が、とにかくぶっ放せ! これ以上被害者が出ない様にヤツを何としてでも止めるんだ!」


「ドルフィン3了解!いくぜえ!」


 ドルフィン3が明海に照準を合わせてる間に、明海は藍人の追いつこうとしていた


「幸次、開けてくれ」


「ナカちゃん、あそびましょ~」


 しかし藍人達は幸次が展開しているバリアーの中に入ってしまった


「ダーリィんが!」


 藍人達が中に入ると同時にバリアは直ぐに閉まり、明海はバリアに思い切り顔をぶつけたしまうと同時に 


「バアアン!」


 ドルフィン3のテレポート能力を使った機雷の転送によるゼロ距離爆破により鎮圧された


「騒がしいな」


バリアの外で爆発が起きたが、藍人達は気にしてる様子も無く、誰も直ぐそばまで来ていた明海花梨には気づかなかった

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妄想★だむねいしょん 軽見 歩 @karumi

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