あとがき
この作品、
「逃げるっ! 勇者っ!」
を最後まで読んでいただき、誠に有り難う御座いました。
綾部 響です。
ここから先は単なる「あとがき」となり、作者である響さんの一人語り……若しくはネタバレ的なものとなります。
ですので、読んでいただかなくとも本編には何ら影響はありません。
もしかすればより本編を楽しんでいただける要素になるかもしれませんが。
まずは冒頭でも述べました通り、この作品を最後まで読んでいただいた方々。
並びにハートや星、評価点等をくださった方々には、最大限の謝辞を述べさせていただきます。
(2018年6月9日現在)
響さんがこの作品をここまで長く……40万文字を越えて、100話も越えて最後まで書くことができたのは、偏に皆様のお陰です。
直接のお声掛けがなくとも、PVが上がって行く様は本当に励みになりました!
そんな、響さんですらここまでの大作となるなど思いもよらなかった、
「逃げるっ! 勇者っ!」
ですが、本当はもう少し短く……30話10万文字程度で抑えるつもりでした。
以前にも近況で報告した通り、この作品は「カクヨムコン3」に出すため、1ヶ月で仕上げようと考えていたからです。
当然、話の内容はこの本編よりも圧縮される予定でした。
でもまぁ、紆余曲折もあり (1ヶ月弱で仕上げるには色々と有りすぎたし、何よりも時間が足りなかった)「カクヨムコン3」への応募は断念。
普通に一般公開する処から始めました。
この作品、書き出しの冒頭とラストは最初から決まっていました。
意外でしょうか?
当たり前ですかね?
ただ、響さんが作品を執筆するに当たっては、大抵……ほぼ9割は最初と最後が決まっていて、その間……エピソードを埋める作業に従事すると言うスタンスなのです。
なので、
「こんなラストは救いがない!」
「ハッピーエンドが見たかった!」
といわれる方もおられるでしょうが……この作品は、生まれたときからこのエンディングが定められていたのでした。
でもここまで長くなったのは、偏にエピソードを追加、継ぎ足した結果です。
皆様が読んでくださり、それが嬉しくなって、ついつい「裏設定」を物語化した結果でした。
具体的には、各キャラクターの背景を描写したシーン。
第27話「揃い踏む」辺りから、響さんの「悪ふざけ」が始まっていました。
本来ならば公開される事のなかった話……頭の中だけで、ボヤーっと浮かんでいただけのストーリーを「物語」にしたのです。
特にその辺りが顕著だったのは、第45話「陽動作戦」からですね。
カナンの大立ち回り。
シェキーナの、エルフ郷との決別。
メルルの、新たな弟子との出会い。
べべブルの、人族の子とのふれあい。
これらは、実は……程度で考えていたものであり、プロットにすら記されていないものでした。
何よりも「陽動作戦」自体が、始めと終わりのみ記すつもりだったのです。
それがあろう事か、あれほど長く……全34話、凡そ117,000文字のエピソードとなったのです。
ハッキリ言いますとあの部分は……寄り道です。
無くても、ストーリー全体には然して影響がありませんでした。
それでも今は……書いてよかった! と強く思っています。
全体の話をダラダラとしたものにしてしまう危険も孕んでいますが、それでも各キャラの魅力がより伝わったのではないか……と思っております。
そしてこの作品は、様々な響さん的試みが含まれたものでもありました。
まずはテンポ。
「なろう」では、その部分を指摘された感想もいただきました。
自分としては気に掛けていても、もっと! もっと! と求められるものなのだと実感した次第です。
この作品を手掛けるに際して、如何に少ない文字数で多くの情報を提示できるか。
この事を常に念頭から離さずに書き続けた作品でした。
そして……投稿間隔。
特に明言した訳では無いのですが、以前から響さんも興味があったのです。
―――毎日投稿って……可能なのかな?
―――毎日投稿したら、PVに影響するんだろうか?
描き溜めたストックなど持たずに、1話3,000文字前後として毎日投稿。
響さんはこれに挑戦してみました。
結論から言えば、PVに関しては良く分かりません。
「カクヨム」では、今までに経験した事の無い程のPVを頂きました。
果たしてそれは、毎日投稿の成果なのか?
それとも、ただ単に偶然爆発しただけなのか?
実際「なろう」では、他の自作品と大して違わないPVしか計上されていません。
響さんが小説投稿サイトに自作を掲載するのは、偏に見て頂きたいからです。
その結果、評価されれば嬉しいのですが、評価が低くともあまり気にした事はありません。
ランキングで上位に食い込み続ける事に必死で、作品や読者を蔑ろにする位ならマイペースの方が何倍もモチベーションになるからです。
勿論、プロになりたい! 書籍を出版したい! と言う想いはあります。
しかしそれは、新人賞応募と言う別枠で取り組んでいます。
もしも響さんにその力があれば、いずれは紙面で作品を発表できる事でしょう。
話は逸れましたが、毎日投稿する事でPVに影響するかどうかは不明でした。
それよりも、毎日投稿する事でメリットデメリットがハッキリと浮き彫りになりました。
まずメリット。
何よりも「書く」と言うスピードが格段に上がりました。
公約しておりませんので、毎日投稿しなければならない! と言う事は無いと自覚しています。
ですがそう言った気軽さから「まだいける」「もうちょっとがんばれそう?」と、1歩引いてこの作品の執筆に取り組めました。
その結果……完全に毎日と言う訳には行きませんでしたが、執筆速度が目に見えて早くなり、殆ど毎日投稿が可能となりました。
ただしデメリットとして、ゆっくりと執筆する……推敲する……心にゆとりを持つと言う事が出来ていませんでした。
特に、ともすれば「書かなければ」と言う思いに駆られる自分がいたのも事実。
これは怖い事です。
執筆で生活の糧を得ているならばまだしも、未だアマチュアでしかない響さんが一体何に追いかけられているのかと……思わず笑いました。
やはり響さんには、毎日投稿等と言う事は向いてないですね。
響さん自身も楽しみ、皆さんにも楽しんでもらえたらいいなぁ……。
このスタンスで行こうと、改めて思わされました。
さて、この作品にもある様に、作中の主人公であるエルスは様々なものから逃げていました。
意図したものでは無かったとしても、結果としては「逃げる」事を余儀なくされていたのですが。
果たして、彼は逃げ切る事が出来たのでしょうか?
逃げて、正解だったのでしょうか?
失ったものは? またはそれで得たものは?
結果がどうであったのか……それは読者様の判断にお任せいたします。
逃げる……とは、時に多大な決断を要しますし、または逃げられないと言う事もあります。
そんな、人間ならば当たり前にぶつかる「壁」の様なものを作中で表現できていたなら……幸いです。
最後になりましたが、特にお世話となった方々には最上級の感謝を送らせて下さい。
実名……HNは伏せますが、きっと分かっていただけると思います。
各話毎にコメントを頂き、時には誤字脱字の指摘、または厳しいお言葉、そしてオチャラけたメッセージなど、あなたのお言葉がこの作品を執筆する活力になったのは間違いありません。
本当にありがとうございました。
基本的には得意ジャンルでは無いかもしれなかったと言うのに、各話目を通して頂きました。
あなたが見て下さっていると考えると、執筆する指にも力が入ったと言うものです。
本当にありがとうございました。
以前から付き合いのある方々も読んで頂き、時にはコメントまで頂き、本当にありがとうございました。
そして読み専の方々。
本当に多くの読み専と呼ばれる方々がこの作品に目を通してくれて、響さんは本当に感激でした。
本当にありがとうございました。
そして何よりも、この作品を読んで下さった方々。
本当にありがとうございました。
正しく感無量……と言う言葉しか出てきません。
この作品だから読まれたのか。
それとも、響さんの作品には読む価値があると認めて貰えたのか。
それは次作以降の結果如何となりますが、これを励みに頑張りたいと思います。
それでは……最大の謝意を込めて。
また、お会いできる日を楽しみに。
2018年6月9日 綾部 響
逃げるっ! 勇者っ! 綾部 響 @Kyousan
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