1人で生きすぎた
黒豆
第1話孤独
1人で生きすぎた。…そう俺は他の誰とも違う。最近になって自分がどれだけ歪な存在なのか理解してきた。蛇の毒牙のごとくジワジワと俺という存在を蝕む。別に誰が悪いとか、誰が良いとかではない。ただ1人で生きすぎたのだ。だからだろうか、俺はもう普通には生きられない。周りの人間と割り切って生きれるならたぶんこんな風にはなっていない。自分は自分なのだと理解していればこんなことにはならなかった。あぁ…見捨てるのか。そう俺の内部で聞こえる。だから俺は1人で生きるしかなかったように思う。俺が俺であるために、俺を生かすために。きっと俺は知らないんだ。この世界の美しさや、この世界の優しさに。だから俺はこの世界で残酷性しか見出せない。ただ俺は普通を望んでいただけなのかもしれない。なにが普通なのかなんて定義は曖昧だ。ただ俺は花を見て美しいと感じたかった。人と話して楽しいと感じたかった。ただそれだけなんだ…。今更叶わない願いだ。だからこれからは、幸せを幸せと感じれるようにしたい。たわいない会話は毎日繰り返される。けれどそんな会話もきっと幸せなんだと思う。1人で生きるしかなかった俺にとっては。なにを恐れる、なにを怖がる。本当に怖いのは自分自身なのだ。
1人で生きすぎた 黒豆 @96001202
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