こちら、他サイトと同時にこちらでも活動を始められた著者さんが、カクヨムを手探りしていくエッセイとなってます。
特徴的なのは、他サイトさんで得られた経験則を実際カクヨムで試して、その過程や結果をご報告くださってる点ですね。
エンタメ全般に言えることですが、多角性というものはとても大事かと思います。
たとえば「狭く深く」とは、けして狭く深い知識で為せるものではありません。関係あるものもないものも、いろいろな「広さ」がないといけないものです。
他を識る著者さんの視野の広さは、逆に「カクヨムのあるべき姿」や「カクヨムの書き手としてあるべき姿」をこの上もなく明確化してくださってるわけです。
そしてさらにはカクヨムコンへの挑戦の記録! これだけのことを経て、ようやく一作が応募されるんだっていう真実を、応募者の方は追体験、読み手の方はあらためて感じ入ることまちがいなしです。
笑わされて拳を握らされて、感じ入らされる――そんな一作です。
(カクヨムなノンフィクション!/文=髙橋 剛)
拝読して最初に思ったのは、「私がカクヨムに登録したとき、このエッセイがあればなぁ!」ということでした。
カクヨムでも、いろんな作者様が『創作論』や「こうやったらPVがあがるんじゃないか」というようなお話をされていますが……。
この作者様。
体を張って、それを実行されました(笑)
どのように、体を張ったのかは、読んでからのお楽しみ。
ちなみに、周囲に他人がいるときに読んではいけません。爆笑必至。
その試行錯誤も大変興味深いのですが、気風の良いご本人の性格や、威勢の良い啖呵に圧倒されます。
私はなんとなく『カクヨム』のユーザーになったのですが、他の小説投稿サイトを知っておられる作者様から見た『カクヨム』というものも知ることができ、大変勉強になりました。
今後も、更新を追わせていただきたいと思います。
このエッセイには、いちWEB小説家が見た『カクヨム』の現実とその問題が浮き彫りにされています。筆者が指摘する通り、いまのカクヨムは制度として様々な問題が表面化しており、その騒動をユーザーが直接、作品として表明したことも記憶に新しいです。
そして作品中、わたしがもっとも同意した事柄は『カクヨムはレビューが難しい』という指摘でした。著者が言う通り、カクヨムにおけるレビューとは第三者に向けた広告であり、キャッチコピーなのです。
誰かが描いた作品をネタバレしないよう配慮しつつ、その面白さを上手に伝える。プロの編集者でも頭を悩ませるような仕事をアマチュアがそうやすやすとこなせるはずがありません。そうした問題点を本作は切れ味鋭い文章で巧みに浮かび上がらせていると感じられました。
さらに、一投稿者がコンテストの順位に一喜一憂し、他人から見ると、「なぜ、そこまで?」と思ってしまうような手法を考え実践し、その過程を余すことなく書き綴っている様子は面白くもあり、必死であるからこそのリアルが文章から伝わってきます。
『カクヨムは投稿者にとって、夢多き新天地であるのか地獄であるのか?』
そのひとつの答えとなっているのが本エッセイであると思いました。
読者よりも筆者の方が七転八倒のエッセイをぜひご覧ください。