第40話 なんだよ‥ここ
オレは恐怖と戦いながら、震える足を前に出している。思えば、ここまで自分が恐怖を感じているのは初めてだろう。
(あ、光だ‥)
オレは扉を見つけた。たぶん、扉の隙間から光が漏れているのだろう。オレは気を抜かず、ゆっくりと扉に近づき、中の様子を見た。
そこには、階段しかなかった。光は部屋の照明だった。オレは誰もいないことを確認して、その場に倒れこんだ。
「はぁ、はぁ‥‥」
せっかく誰もいないのだ。いかにも長そうなこの階段を上がるには、一旦ここで休むしかない。
階段を見て、昨日を思い出した。あれだけ長いのは、勘弁してほしいところだ。
(‥‥よし)
ある程度の休憩を済ませ、階段を上がっていく。足が震えるので、足場を踏み外しそうになった。大丈夫だ。もう少しなんだ‥!
必死に自分に言い聞かせ歩いた。
たが、それも一瞬だった。階段が途中で止まり、天井に頭をぶつけてしまった。
「痛った!って‥‥」
オレは言葉を失った。オレが頭をぶつけた場所あたりが、かすかに動いたのだ。
(ひっょとして、これ‥‥)
オレは天井を動かそうとした。すると、思ったとおり、天井の一部分は外れた。すると、今までに感じたことのないくらい眩しい光がオレの目に焼き付いた。
「あっ‥‥しまった。ここって‥悪魔と戦っている場所なんじゃ‥)
オレは死を予感した。ここで終わっちまうのか、と。
だが、そうでもなかった。声こそ聞こえるものの、戦っているような様子はない。
(じゃあ、ここは‥‥)
オレは思い切ってそこに出た。
そこは、オレの知っている世界ではなかった。地面は石こそあるものの、葉や花もある。なにより‥‥
「なんだよ‥‥ここ」
オレは得体の知れない恐怖に包まれた。オレの住んでいる町は、閉鎖空間で、上を見上げると、石が不規則に並んでいた。でも、ここは、見上げても石なんか無く、青いだけ。果てが見えず、ところどころに白い塊が浮いている。
「痛っ!」
しばらく見上げていると、光り輝く円が目を刺激した。どうやら、さっきの光りの正体は、あの円らしい。
(でも、どういうことだよ?!ここは、悪魔と戦っている場所じゃなかったのかよ?!それとも、あの青いところの先で戦ってるってのか‥‥?)
考えれば考えるほど、謎は深まっていく。カアレは、ここが理解できなかった。
the another world!? @raby
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