波の声が聞こえた

@karasu-syougeki

聞こえますか波の声

波と波が、ぶつかり、くだける、波と波がぶつかり、はじける。


ぶつかり、くだける、ぶつかり、はじける。


白い泡となり、じょわーっと広がり砂に飲まれ消えていく。



波は溢れる、止めどなく溢れる、押して、壊して、飲み込んで、去って行く。



波は乗せていく、長く大きく乗せて行く。乗せて行くが、落ちる者もいる、それでも波は彼らを乗せてをくりかえす。


波は押し返す、今日は来るなと押して帰す。警告の波は彼らを拒む、しかし彼らは入ってきた。もう波は優しくなれない、彼らは消えた。


波は届ける、色々な物、生き物、ゴミ、とにかく色々届ける。最近は彼らの色々な物が増えてきた。


波は助ける。彼らを陸まで乗せて助ける、彼らは助かる事もあるが、死ぬ事もある。


波は歌う。私が美しく歌えば彼はら喜び癒される。私が叫べば彼らは怯え恐る。



私は、波。私は波。私は…波。彼らを創造した波。彼らがこの世界から消えた後も私は波をくりかえす。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

波の声が聞こえた @karasu-syougeki

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る