第2話 初対面の男にそれはハードでしょ。


 

ドゴオオオオオォォォォォォンンンンッッッッッッ──────────



心臓を直接殴りつけられたような轟音と衝撃と振動が身体を襲った時、直人と悠人、学校内いる全ての人間は強制的に床に伏せることとなった、その中でも直人と悠人は階段を降りる途中だったので、大事になりかねなかったのだが、幸いにも踊り場まで3段だったので大事には至らず、軽い擦り傷を負った。


「いってぇ~、なんだ?いきなり~」と、悠人が直人よりも先に立ち上がり、目の前の運動場が眺められる窓に視線を投じる。


夏休みでも運動場には部活動で運動部が野球やらサッカーをやっているはずなのだが、悠人が目にした光景はそんな光景ではなかった…


ようやく直人も立ち上がり、窓へと視線を向ける。

そこにあった光景に恐怖を感じ、二人は同時に呟いた。



「「っなんだ、あれ…」」



二人が目にしたのは部活をする生徒達などではなかった。


運動場の真ん中にどでかい彫刻刀で掘られたかのような、円形の、しかも円の中に複雑な模様が描かれている、まるで魔法陣のような模様(上空から見ないと分かりにくいが)が出現しており、その中心に女らしき人間が片膝と両腕を地面について、・距離があるので分かりにくいが、空色でロングの髪を顔の前に全て垂らして青黒いオーラを纏っていた。


「運動場がっ…」悠人が思わず後退りながらそう呟く。


「と、とにかく、他の人を探そう、早くこの状況を───」


直人がそう悠人に話しかけながら悠人に視線を向けた時、悠人の顔は血の気が全くない青ざめた表情で運動場を見ていた。


「あ、あいつ、こっち見てる…ぞ…」

その言葉に、ここは極寒の地ではないかと思うほどの寒気と背筋を撫でられたのかと錯覚するほどの感覚を覚えて身震いをした。


直人もその女に視線をむける・・・

窓ガラスに写った直人の顔は青ざめていた。


「に、逃げるぞっ」と、悠人は意識を現実へと戻し、直人にそう促した。


「おう…」


悠人はすぐに逃げるため、走りだしたのだが、直人はすぐには走りだせなかった。


その理由…それは直人の視線の先、巨大な模様の中心に立つ女だ。


その女は、二人の方を見ていたのだ、そう、そう思っていたのだ、悠人は。


しかし、直人は違った、その女の瞳の先は、ただ一人…


直人を見ていたのだ。


5秒程だったが、直人はその女の瞳の奥から鎖の様なものが飛び出てきて、その鎖に拘束されている、そんな恐怖に、足が竦んで、すぐには走りだせなかった。


なんとか、そんな感覚の恐怖を振りほどき、直人も悠人の跡を追った。


しかし、次の瞬間、直人は非現実的な光景を目の当たりにする。


悠人がいる方向へ走り出そうと、振り返った時、急になにか柔らかいものが、唇に当たり、暖かいものが口の中に入ってくる感触を覚えた。


悠人は全然ついてくる気配のない直人へ振り返り、視線を向ける・・・

そこには驚愕の光景が目の前に広がっていた。


とても甘い香りが鼻をくすぐり、気持ちが穏やかになっていく感覚も覚えた。


(あぁ、いい気持ち…♡)


直人は柄でもないそんな言葉を心の中で放った。


数秒後、快感の世界から意識を取り戻した直人は、必死に今の状況を理解しようとする、が、しかし、とても理解出来なかった。


なにせ、自分の目の前に、先程まで、摩訶不思議な感覚の拘束を直人に与えていたであろう女が立っており、自分の唇にそれを重ね合わせ、暖かく、生々しい動きで自分の口の中に入ってくる、舌。


いわゆる、”ディープキス”をしているのだから。


直人が嗅いだ甘い香りの正体は、急に直人の前に出現した時の反動で直人の方へなびいた彼女の空色の髪の香りだった。


二人は(彼女が一方的に)クチュクチュといやらしい水音をたてながら、舌を絡ませていた。

彼女は、ディープキスをしながら、喘ぎ声を出しており、直人は、その喘ぎ声の振動が自分の舌に伝わって、とてつもなく気持ち良い気分になった。

時折彼女の鼻が自分の鼻に当たると、その度にドキドキしていた。


彼女は、見た目が二十歳位で、頬はリンゴ色に染まり、とても綺麗な空色のロングヘアーで、とてもいい香りがした。


驚くべきことはその美しさもあるが、他にもあった。


彼女は何故か裸だったのだ。


Dカップはあろうか、そのとても綺麗な肌の柔らかい山は、直人の胸に押し当てられており、彼女の両腕は直人の首へ回されている。


知らず知らずのうちに出来ていた桃色な空気に、直人はいつの間にか目蓋を閉じていた。


8秒程、その美女は、直人にディープキスをした後、直人を床へ押し倒し、床に強制的に座らせた、離れる際、銀色の糸を引きながら。


普段で、女子に押し倒されようものならば、脚に力を入れ、倒れないよう抵抗できるのだが、この状況では不可能だった。


彼女に見とれているのと、現在の理解不能な状況によって、直人は抵抗することもままならず、床へ、両腕は体の後ろに、足は少し曲げて体の前に伸ばす形でぺしゃっと座り込んだ。


直人を床に座らせた彼女は、座り込んだ直人の右脚に膝を曲げて跨った。


そして、再度、両腕を直人の首へ回し、直人をじっと見つめた。


やっと見せたその瞳はとても美しい金色の瞳だった。

改めて彼女を良く見ると、空色のポニーテールの髪先は、色が抜けたようにシルバーに


すると、彼女は、いきなり腰を前後に動かし、直人の脚に、女性の大切なところであろう箇所を、擦る動作をし始めた。


しばらくは、彼女は、リンゴ色の頬でディープキスをしていた時とあまり変わらない表情だったが、前後運動の回数が増す事に、その表情はとろけたような表情に変わってゆき、次第に、息も荒くなってきた。


しばらくすると、彼女は「ンッ……アッ……ンン……アァッ……」と喘ぎ声を漏らし始めた。



「っ!?…えっ…あっ…」直人は未だにその状況が理解出来ず、頭の中は真っ白になり、彼女の体の柔らかさと、そのあざとい表情しか、認知できなかった。

そして、直人もまた、頬を赤く染めていた。




「アァァ……アッ………ッハァハァ…ハァッ……ンンンッ……アッアッ……アァァ…♡」




喘ぎ声は段々激しくなり、気のせいか、直人は自分の右脚に湿り気を感じ始めていた。

彼女のものであろう、その湿り気は、温かさを帯びており、実に生々しかった。




「アッアッアッアッ………アァァァ……イッ……アァァ………アアアァァァ♡……」




更に喘ぎ声は激しくなっていく、それと比例して直人の心拍数も激しくなっていった。

直人は、心拍数が激しくなっていくと同時に、心臓がキュゥゥッと締めつけられている、そんな感覚も覚えた。


直人の心拍数がドクン……ドクン……、から、ドク…ドク…ドク…ドク…と速さが変わっていった時、直人のズボンのチャックの辺りが盛り上がってきた。

いつも、チャックの辺りが盛り上がってくるのは、「あれ」を読んでいる時や、動画を見ている時、夏にプールに入る時、が多い。


現在、美女に跨られ、腰を前後に動かすという、動画でしか見たことのない、あれをする時の動作にそっくりなことをされている為、盛り上がり様が、普段の盛り上がりを超える盛り上がりをしていた。

ジンジンと血が棒に走るのと、痛みを感じるほどに。




「ンッンッンッアンッアッアッアッアッッッアッンッンッアッアッ………アアァァ……アッアッ…ンアアァァッ♡……」




一分間程…たかが一分間だ、しかし、直人にとってはそれの数倍は長く感じた。


その一分間の時間の間に彼女の喘ぎ声は更に激しくなっていき、気付けば、彼女の左手は自分の胸を揉みしだいていた。

胸を下から持ち上げるように自分の胸を揉み、時折、その山の頂点を押したり、人差し指を曲げ伸ばししてプリンッとさせていて、その度に小さくピクッとなっていた。


そんなとても長く感じた一分間が終わりを告げる。


喘ぎ声が、彼女の最大になった瞬間、彼女は、一瞬動作を止め、直人に力強く抱きついた。

「アッ…アッ…」と細い声で喘ぎ、ビクッビクッ、二回、痙攣のように体がヒクヒクと感じた後、唇から銀色の雫を滴らせ、最後に「ウッ」と声を漏らしながら背中を海老反りさせた…





「あああああああぁぁぁぁぁぁぁぁんっっ♡」





今ここに、初対面の男性の目の前で、一人の女性のしぶきが散った────────────────────




********************



「ハァ…ハァ…ハァ……ッハァ……ハァ……ンッ」彼女は全身の力が抜けたように直人の前で倒れ込み、その体が一瞬だけ、弱く薄白い光を優しく放ち、彼女の手の甲に模様が浮かび、しばらくすると、消えた。

その現象が終わると、彼女は荒れた息を整え始めた。


直人は一分間もの間、硬直したまま動けなかった。


そして、一分後、何とか、どこかに飛んでいった意識を取り戻し、自分の右脚に視線を投じた、そこには、直径7cm程の円状に元の色より濃く変わっている制服のズボンがあった。


その色の変化は、「何か」によって”濡れた”のだと直人は察した、もう赤面すらしないほど意味がわからなかった。


では、そのズボンが「何か」によって濡れた原因…


その原因となる美女へ直人が視線を向けたのと同時に、彼女は起き上がった。


女の子座りの姿勢に起き上がった彼女は直人の瞳を見つめると、スっと立ち上がった、そして。


「神器契約の契約完了です、マスター」


透き通る、なんとも美しく、先程までの喘ぎ声からは想像出来ない、クールな声で放たれた声に、一瞬、何を言われたのか分からなかった直人は。


「はへ?」


なんとも情けない声を漏らし


「ってえ!?え!?えっ!?えぇぇぇェェェェ~」


自分が言われたことを全く理解できないまま、その場に鼻血をスプラッシュしながら、床に倒れた。


童○の直人には少々刺激が強かったようだ。





「っ…んっ…ここは…?」

どれだけのあいだ眠ってただろうか…


30分ほど経ち、ようやく目を覚ました直人は、目だけでキョロキョロと周りを見回し、ここが保健室だと確信した。


「…はぁ、良かった、保健室か…って、良くねぇ!!!!」


直人は、あの、赤点のテストを返された時と同じ位取り乱した様子で、起き上がった。

起き上がった時に直人は、自分の胸辺りに金属の重さを感じた。


その重さを感じる自分の胸へ視線を落とすと、そこにあったのは、自分の首からかかっている、球状で空色の宝石に、羊の角のような模様の純金が渦のように巻きついており、これまた純金のチェーンでぶらさがっているペンダントだった。


(純金と宝石でできたペンダント?)

直人は、心の中でそのペンダントの素材を推測した。


その時…


キィィィンッッッ───脳に耳鳴りのような痛い音が直接響き…『宝石などではありません、その石は神の涙から作られた、聖石と呼ばれるこの世界には存在しない物です、マスター』


突然聞こえた声の主を必死に探す直人だったが、その声が聞こえたのは、首元のペンダントからだった。


「な、ななななんだぁ!?!?な、なんでペンダントが喋ってんだ!あ、あれ?俺死んだ?あぁ、俺死んだ、納得納得」直人は、ペンダントから声が聞こえるのは自分が死んで、天国にいるから、そう結論づけた、天国はなんでもありなのだ!


『いえ、マスターは死んでいませんよ?』


「そうか…死んだのか…」


『いえ、死んでいません』


「はぁ、俺死んじまったのかぁ」


『いえ、死んでいません』


「短い人生だったなぁ」


『……エクレール』諦めたように、ペンダントは何やら唱えた。

すると…


ババババババババッッッ────


そんな空気を割くような音を立てる現実ではありえない、紅色の電撃がペンダントから弾け、直人が死なない程度に、直人に直撃した。



「アギャギャギャギャギァ”ァ”ァ”ァ”ァ”」直人は、そんな変な声を出しながら、手足をビクビクさせ、髪の毛がチリチリになり、床へ倒れた。


『痛いですか?なら死んでません』


ピクッピクッと手足を痙攣させている直人は、自分が死んでいないことを確信する。


「俺、死んでない…よし、一回落ち着こう…状況整理だ、まず…ペンダント、お前は誰だ、自己紹介してみろ」死んでいないことを確認した直人は、全く今の状況が分からなく、混乱している頭を整理するために、このペンダントがこの状況について何か知ってそうなので、情報を聞き出すことにした。

『申し遅れました、マスター、私の事はステアとお呼びください。自己紹介…』

「どこに住んでるとか、好きな物とか、何が出来るとか、もうなんでもいいからお前の身元を確認したいんだよ」

『承知しました、マスター。私は住んでいた場所などはありません、これからは

マスターのいる場所が私の住むべき場所、マスターのために尽くすのみです。好きな物は特にありません、わたしに出来ることは、近接格闘術、剣術、電撃、です。

他に…身長167cm、体重51kg、バストはちじゅ──』

「も、もういい!そこまではいいから!充分だから!ストーップ!」知らなくてもいいことを言い出すステアという名のペンダントを慌てて静止する。

「80…なんなんだろう…」男として気になる直人は、少し小声で呟いた。


『86です』

「だぁかぁら、いいってぇ~~~」頭を抑えて悶える直人。


「大体、さっきからなんでお前は俺の心の声が聞こえてんだよ!エスパーかっ!」直人は、ずっと不思議に思っていたことを問う。


『先程、マスターと神器契約をした為、マスターの意識に干渉できるようになったのです』

「先程…神器契約…ってお前!さっきの女か!?」直人の脳裏に映像が蘇る。


すると、ペンダントは金色に輝きだし、先程の美女が現れた、裸で。


「はい、神器契約で聖石化できるようになったんですよ?」ステアは、当然ですよ?と言わんばかりに首を傾げた。


「当然ですけど?みたいな顔されても俺にとってはお前の存在自体が当然じゃないから!それと、服着ろよ!」直人はバッと音を立てて首を振って視線を背けた。

ベッドの上に立った状態で出てきたステアは、直人から見ると、女の大事な所が丸見えだった。


(生えてなかったな…)直人は、考えてしまったことを掻き消すように、ぶるぶると頭を振った。

ステアは直人の考えていることの意味が分からないので、もう一度首を傾げ、何故か、ハンガーにかけてあった直人の制服のブレザーを着て、裸エプロンや、裸Yシャツならぬ、裸ブレザーの姿になり、ベッドからは降りず、直人の足があるであろう布団の盛り上がっているところに跨り、ちょこんと座った。


「いや、待てよ」

「はい、なんでしょうマスター」

「なんでしょうじゃねぇよ!なんだよその格好!自分の服ねぇのかよ!」

「基本的に、人型モードの時は裸です」

「訳わかんねぇよ!てかなんで俺のブレザーなんだよ!」

「この星では、裸エプロンや裸Yシャツなどの、服を裸で着ると、男性は興奮すると脳内データにありましたので」

「はぁ、もういいや…」直人は諦めたように溜息をつき、ベッドにいる自分に跨ってくるステアを見て、目を見開かせた。



「おい……お前………さっきの女なんだよな?」直人は俯き、前髪が垂れて表情が分からなかった。

「さっき…とは神器契約の事でしょうか?」

「そぉ~れぇ~だぁぁぁぁ!!!!!!!!!!なんで契約するのに、あ、ああ、あんなことしにゃきゃにゃらにゃいんだよぉぉぉ!!!!!!!!!!そ、それに、なんで俺にゃんだよ!」直人はカミカミで赤面しながら叫ぶ。

「もっと他の方法はなかったのかよ!」

「マスターは神に選ばれし者なのです。

そして、契約には、マスターが私に欲情して、私の精液をマスターに付着させることが必要だと脳内データにありましたので。それに、この方法は神が作ったものなので、私には理由はわかりません、申し訳ありません、マスター」

「精液ってっ…ん?あわわわ」再び鼻血が垂れる直人。

「それで裸だったわけか…それに、俺が神に選ばれし者ねぇ……そ、それと、け、契約を解除する方法はないのかよ」鼻血を拭きながらステアに問う直人。


「強制的に解除するのであれば子作りをしなければなりませんが、一年経つと自動的に解除されます」

「子作り…って、マ、マジで!?一年すれば自動的に解除されるのか!?」子供のようにパァっと笑顔を輝かせた直人だが

「ただし、365日連続で私の精液を浴び続ければの話ですが」

「んなんだとぉぉぉぉぉ!!!!!!!」再び赤面し、絶望になる直人。


「私の精液を浴びるのは嫌いですか?」

「ちげぇよ、お前といるとろくなこと起きなさそうだから、その契約を一刻も早く解除して家に帰────って、そういやぁこの学校の周りの家とかどうなったんだよ!俺の家学校の近くなんだけど?!」

「問題ありません、神の力でこの学校のみドーム状のバリアを作ってその中で起こってることは外部へ何も漏れないようになっています。

 たとえば、私がこの星に降りてきた時の地震、このバリアの存在、などです」

「なら良かったぁ~、良くないけど。

 で、なんでバリアがあるのにお前が降りてこられたんだ?」

「私は神の力でバリアを通り抜けられるように施してもらいました」

「神の力なんでもありなんだな…はぁ、それにしても、この状況に慣れつつある自分が怖い…」言葉の通り、直人は現在の状況に慣れつつあった。


「それで、お前の身元だが…住んでいた場所はないって、お前一体何者なんだよ」

「私は神子、神から生まれしマスターの下僕です。」

「分かった…さっきからお前が言ってる脳内データってのはなんなんだ?」

「この星でマスターと生きていくためのデータです。

神器契約の契約方法や私のスペック、この星の文化、夜の営みについてのデータがあります。」

「ぶふっっ、夜の営みって…」

「夜の営み、この星では「エッチ」と呼ぶそうですが、神星での正式名称は「神器特化工程」と呼びます」

「そうか…もう俺はツッコまないぞ、で、それは一体なんなんだ?」「エッチ」とサラッと言うステアにツッコむのを諦めた直人は、「神器特化工程」の詳細を聞く。


「簡潔に言うと、エッチしてステータスレベルが上がっていったり、特殊スキルが使えるという行為です」ステアはマスターの為にわかりやすく説明する。

「ちなみに、私が先程マスターにした神器特化工程は初期なので、レベル1上げる、兼、契約完了のための行為です。

なので、現在のマスターのレベルは1、私のレベルも1、となります。

レベルの上がり方ですが、私の精液を浴びることで、レベル1上がり、私の精液を摂取するとレベル2上がります。」

話が進められていく度に直人は赤面していった。

「もう、意味がわかんねぇよ!なんで摂取なんだよ!てかこの方法作った神様絶対エロオヤジとかだろ!そうだろ!絶対そうだ!んあぁぁぁぁぁ!!!!!!!」

こほん、と一つ咳払いをして平常心を取り戻した直人は

「で、神器特化工程以外について他にあるか?」

「はい、先程特殊スキルが使えるようになるとお伝えしましたが、特殊スキルというのは、マスターが私に特定の行為をすると発動可能となるいわゆる必殺技というやつです」

「特定の行為って…たとえば?」

嫌な予感しかしない直人は一応聞いておく。

「はい、まず、特殊スキルは現在では四つあります、この先レベルアップすることで、いくつか開放されるようです。

ひとつ目は、瞬足です。

瞬足とは、一時的に私の移動速度を本来の五倍にします。

必要行為は、私が欲情するまで胸を揉みしだく。」

「ぶふっ」

「次に二つ目です、二つ目は、透過です。

透過とは、一時的に私の体とマスターの体を透明化させ、敵から察知されない、壁などの個体を通り抜けるようになります。

必要行為は、私が欲情するまで乳首を舐めたり、吸ったりする。」

「ぐふっ」

「次に三つ目です、三つ目は、無効化です。

無効化とは、一時的に私の体に与えられた物理的攻撃を無効化することができます。

必要行為は、私がマスターの生殖器を刺激して、精液を分泌させる。」

「ぶはぁっ」

「そして、最後に四つ目です、四つ目は、太陽粒子光線です。

太陽粒子光線とは、太陽からこの星に降り注いでいる放射線、太陽粒子を急速に集め、熱光線として発射できます。

必要行為は、マスターが私の生殖器を刺激して、精液を分泌させる。」

「ぐはぁぁっっ」

「私の脳内データにはこのように記されています」

ステアはそれはそれは丁寧に特殊スキルについて話した。

その説明を聞いた直人は、予想はできていたものの、予想以上の特殊スキルの必要行為の壮絶さに、特殊スキルの説明ひとつにつき一回、強烈な精神ダメージを受けた。

しかし、直人は、疑問に思うことがあった。

「で、でも、お前が近接格闘術を持ってたり、レベルを上げたり、特殊スキルを使えるようにしたりする必要がどこにあるんだ?」

「ある本を探し出すことが目的らしいです」

「ある本?またなんで本なんかを?」

「地獄姫シャーナを倒すためのヒントが書かれています」

「地獄姫…シャーナ……だれだそれ?」

「神を殺そうとしている者です」

「なんでなんだ?」

「詳しくは神も把握していないようなのです」

「なるほど、そのシャーナって奴を倒す為に、必要なのか……お前が送られてきたのもそれが理由か?」

「はい、その通りです、」

「はぁ、神を殺そうとしている地獄姫を倒すとか……ラノベかよ…」

「ラノベ、ライトノベル、小説の一種ですね、ライトノベルではよくあるのですか?」

「そうだな、ラノベでありがちな奴だな……お前もな」

「私、ラノベなんですか?」

「まぁ、ラノベだな──────ん?」直人とステアは、神器特化工程の話から自然と日本文化の会話になりかけていた時、ふと直人は、なにかを忘れているよな?、そんな様子で眉をしかめた。


「なんか忘れているような・・・なんだっけ?」


直人は今までの出来事を振り返る。

すると

「あぁぁぁぁぁっっっ!!!!!!!!!!」直人は重大(?)なことを忘れていたことに気付いた。

そんな直人の心の中に干渉できるステアは

「あの方なら眠らせておきました、ほかの方々も同じく眠らせて同じ所に集めてあります」

「へへっ、完全に忘れてたぜ…悠人、ごめんよ」


未知の星からやってきた見知らぬ女が急にディープキスしたりあんなことしたりするので、すっかり親友のことを忘れていた。


悠人が「おいっ、忘れてんじゃねぇぞ、こらぁ、ぷんぷん」そんなことを言いそうだと、想像した直人だった。



 

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直人のラノベ展開な人生。 @hakutama

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