壮大な世界観の硬派なファンタジー。聖剣を廻る人間描写が圧巻です。

この作品、決して流行りに乗った作品ではありません。

聖剣が創り出した壮大な世界観。硬派で、荘厳で、どこかノスタルジックです。

主要人物に素直で愚かな人間はいません。捻くれてて人間臭くて、一筋縄ではない魅力的な人物たち。人間の暗い部分を余すことなく描いているからこそ、この作品には他にはない独自性があり、惹きつけられます。

特に章節「利己的な爪痕」は、緊張感ある描写の完成度が高いです。あのゾワゾワっとした感覚を、多くの方に体験していただきたい。

神々しくも禍々しい聖剣が、人々の心をどう切り刻んでゆくのか。これからも目が離せません。

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