第7話 未来の二人

「菜緒花ー!」

 俺はドアの前で叫ぶ。

「もう、玄関から普通に入ってよ!ここまで来るの大変なんだからさあ……。」

「ごめん、ごめん。なんか昔を思い出すからやりたくなってさあ。」

 俺は靴を手に持って階段を登る。

「全くもう……。ご飯できてるから、すぐに来てよね。」

「了解。」

 俺は自室に入って、スーツから私服に着替える。

 この部屋は、昔菜緒花のお義父さんが使っていた部屋だ。

 部屋には、幼い頃菜緒花が描いた絵が貼られていた。今も貼られているが。

 俺の本棚の上にはピンクの造花が置いてあり、一冊のノートがある。

 そのノートには、少女の日記が書かれている。

 俺はそれを、じっくりと読む。

「ちょっと、ご飯できてるんですけど……て、あたしの日記!」

「あ、見つかった。」

「返せ!」



 俺は、地底人に会いました。


 私は、地底人に会いました。


 彼女はとても、優しくて。


 彼はとても、面白くて。


 ずっと一緒でした。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ドアの向こうに。 からあげ餅 @karaage0509

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ