洞窟探索 1

北門から出た俺たちは森の中を歩いていた。ここまで何回か魔物と遭遇したがスティラが難なく仕留めていく……というか俺たちと話しながらついでかのように屠っていく。

スティラを助けたときに言っていたように油断さえしなければ大丈夫なようだ。ただ、探知がうまく使えないらしくそこは俺とりこでやっている。ちなみにりこも普通につかえるらしい。


「そろそろのはずなんだけど……」 


地図もスティラに任せている。

……俺が地図を読めないからじゃないぞ?一応ここはスティラのランニングコースの近くらしいし。

北門を出て1時間くらいか?かなり深くまで来たがいまだに入り口を見つけれていない。

別に森の中で迷ったわけではない。ある程度の位置はわかっている。ギルドからの情報ではこのあたりのはずだが……


俺は不意に周りを見渡すとなぜかボヤっとしているところを見つけた。なぜかその一点だけ熱いところのようにほんの少しだけゆらゆらしている。そこをじっと凝視する。


「何をそんなにじっと見てるのよ」


「いや、あそこなんか違和感ないか?」


「んー?」


りこも一緒になってある1点を見つめる。


「なんか違和感があるように見えるような気もしなくもないけど。りこちゃんは?」


「僕もスティラちゃんと同じかなー。違和感がないといえば噓だけど……なんだろうあれ?」


「ちょっと近づいてみるか」


その場所に近づくにつれ違和感が大きくなっていく。目の前まで行くと確実に何かあるような場所だった。


「ほんとうになんなのこれ?」


「りこは何かわかるか?」


「うーん、幻術かな?似たようなものを昔見たことがあるよ?」


「おぉさすがりこ、物知りだな」


さすがは黒龍、長生きな分知識量もすごい。


「ってことはこれを破ればいいんだな?まかせとけ」


俺は魔剣グラムを構え、魔力を剣に纏わせる。


「何をする気?」


スティラが少し引いたような目で見てくるがお構いなし。

その場で横に一閃。すると何かが切れたように切れ目から幻術が解けていく。


ぐにゃぐにゃと蠢きながらそこに現れたのは下へと続く階段がある人一人がやっと通れそうな洞窟の入り口だった。


「洞窟みーっけ!早く下りよ!」


テンションの高いりこが何の躊躇いもなしに洞窟の階段を下りていく。りこはいろいろと小さいのでするっと洞窟の入り口を抜けていった。俺たちもりこに続いて洞窟の階段を下りていく。

少し階段を歩くと一本道になっているところについた。どうやらここからが1階層のようだ。


「魔物の気配がないわね。どういうことかしら?」


「そんなもの俺に聞かれてもなぁ」


確かに魔物の気配はない。が、森の中で感じていたあの魔力がここではより一層強く感じられる。

それはスティラも同じようで階段の途中から剣を抜いて警戒していた。


「魔物がいないのにこんな強い魔力があるのは不気味ね」


その顔は少しひきつっているようにも見える。

俺も少し不安なので空間神で前の気配を探る。すると少し歩いたところに大きな扉がある部屋を見つけた。


「この先に大きな部屋がある。この感じは……ボス部屋か?」


「それは本当!?」


「いや、確証はない。でもそんな感じの部屋がある」


「とりあえずいってみたらいいんじゃない?」


「本当りこは物怖じしないな」


「んー、まぁね?」


「まぁ行ってみるしかないか」


そのまま部屋の前まで歩く。その道中、周りを警戒していたが魔物は出てこなかった。

部屋の扉は俺たちよりも数倍大きい石造りの両開きの扉だった。中から魔力は感じない。が、魔力はいまだに下から感じるので洞窟はまだ続いているのだろう。


俺はそっと扉に手をかけるとギギギと音を立てて勝手に扉が開いた。

中を覗くと広い円形の空間に白髪をオールバックにした老人がこちらを見ていた。一目見ただけでもただ者ではないとわかる。己の魔力を隠蔽するために張っている結界がはっきりと見えるほどにだ。

己の魔力が強いほどそれを抑えようとする結界も比例して強くなり、可視化できるようになる。それを見えないようにするのはその人の腕だ。しかし結界が見えているということはあまり得意ではないということだろう。


「お待ちしておりました、エリック様」


その老人は俺の名前を呼んだ。しかも待っていた、と。


「どういうことだ?」


俺はいつでも魔法を使えるようにしながら剣に手をかけ、スティラはいつでも切りかかれるように剣を構える。りこは……なんか笑ってる。

お前はサイコパスか?


「それではまず───」


老人は指を鳴らすが何の変化は起きなかった。

しかし俺の一歩後ろで剣を構えていたスティラはその場で倒れた。


「何をした!」


魔力の気配は一切しなかったが魔法を使ったのはわかった。おそらく魔法を使うときの魔力も隠蔽していたのだろう。


「この場には少々邪魔かと思いまして、眠っていただきました」


「邪魔?どういうことだ?」


「では部外者がお眠りになったところで改めまして────」


老人はコホンと咳払いをし、深くお辞儀をした。


「お待ちしておりました、、エリック様」


────────────────────

設定を思い出すために初めから読んでいたんですが結構やばいですね(--;)

なのでちょくちょく文章を整理していきます笑


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異世界転生したら生まれた時から神でした うた♪♪ @Maya-maya

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