第4話 集会

かすかな光が部屋に入ってきて俺は光に起こされる。

「はあー昨日はいろんなことがあったなー。」

と思いながら俺は辺りを見回す。

そこに人影はない。

「あれ誰もいない。」

理事長は集会の準備にでもいったのだろうか。

俺は起き上がりソファーを離れて理事長室を後にする。

理事長室は2階で1階の階段から

「ざわざわざわ」

何人かはわからないが男女関わらず声がする。

そして気づいた。

「あっ今日は入学式か。」

なんともまぬけでありがちなミス。慌てて廊下にあった時計を見る、8時40分。

「集会何時からだっけ?」

理事長からは何も聞かされてなかった。昨日は濃い話をしたというのに。

俺は彼らがあの話を聞いたらどうなるのだろうと思っていた。

すると同じ廊下から4人、男1人女3人がテクテクとこちらに向かってきた。

俺はボー立ち。

「どうも。」

と挨拶をした。彼らの一人の女がこう返してきた。

「あなたも手紙をもらって?」

「そうだね。」

俺は単調な言葉で返した。

もう一人の女も口を開いた。

「どうやらこの学園32人しかいないみたいよ。」

知ってると思いながら驚いた顔をした。

最初に話しかけてきた女がまたまた口を開く。

「あなた名前は?」

「神田 恵」

「私はフォーラス=ドルサ、よろしく。」

この後次々名を名のる。

「私はキーラ=クロス。」

2番目に話しかけてきた女。

「私はドルテ=カチェーノ。」

無口。

「僕は汲川 康太(くみがわ こうた)。」

無口パート2

外国人3人に日本人1人ね。んで何で日本語使えるというツッコミはしなかった。おそらくブラッシングだな。

名前覚えづらいな、これがあと20人以上いるんだ。

心が折れる。

「何してたの?」

「疲れてたから休んでいたんだよ。集会いつからだっけ?」

さりげなく聞く。

「9時からだよ。」

フォーラスは助かるよく喋る娘だ。

「ありがとう。あと集会場まで連れてってくれる?」

「いいよ。」

他の人の顔からも俺を拒もうとする者はいなかった。

4人に連れてってもらい集会場に着き中に入る。

「でかいな。」

3000人は入るだろうか約100倍の人数はいける。

どうやら他の人達は一か所集まっているようだ。

4人は慌ててその場に駆け寄った。もちろん俺もそうしたかったが駆け寄る最中理事長が手招きをしているのに気づきそこにいった。

「友達もうできたの?」

「さっき会ったから一緒に来ただけだ。」

「ふーん。じゃあ例の件よろしく。」

「わかった。」

そして彼女は入学の歓迎の言葉やその他もろもろを済ませようやく本題に入る。

「皆さん実は重大な事があります。」

彼女は昨日俺に言った言葉を皆に言ったがやはりダメ。辺りはざわめいていた。

そして出番は俺。

「驚きや恐怖もありますがここで主席の言葉を聞きましょう。」

(はっ主席?)

彼女は任せたぞ的な顔をする。とんでもねーと思いながら彼女が立っていた壇上へ。

意外なのか生徒たちは黙りこけた。

「えー皆さんおはようございます神田 恵と申します。主席挨拶です。えー皆さん大変驚かれてると思いますが私もそうでした。ですが私はそれを乗り越え・・・」

また辺りがざわめき1人の男が言った。

「乗り越えられるわけないだろ。ただでさえわけわかんないのに最終的には宇宙を相手にしろだとふざけるなー。」

「ソーダソーダ(たくさん)」

まあそうだよなと思いながらも任されたんだからきちんとやるかという気分になった。俺は任されたことはやるタイプだ。

「おいっ(切れ気味に)」

ざわつきが収まる。

「お前ら好き勝手言いやがって確かに俺だってそう思ったさ。お前らだってそう思うのは仕方がない、だがなこの世界は俺達と共にあるんだ。それを見捨てようとするなよ。敵?神?そんなの関係ない。俺らが解決するのだ。この現実を。神の失敗は俺らが取り戻す。それでいいじゃないか。力は心(ここ)にある。そして我らが神、メルーリアはいつもすぐ隣にいる。」

・・・

「おーおーおー。」

高い歓声の声が聞こえると同時にパチンパチンと指を鳴らす音がリズミカルに聞こえてくる。

俺は流れるように壇上を降り理事長がいるところへ去っていく。

彼女はめたんこ泣いている。

「くちゅん、くちゅん、ありがとう(震え声)。」

「どういたしまして、メルーリア。」

泣きながら彼女は出て行ってしまった。

あっどうすんのこれ。

俺は急いで壇上に戻り一言。

「ようこそブラッシング・ワールドへ。以上解散。」

歓声と指パッチンコールは徐々に止まり皆学園内に戻っていく。

俺は余韻に浸されながらただ立ち尽くした。







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ブラッシング・ワールド 睡眠者 アトラ @atorasuimin

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