第3話 理事長
「近くまで来たらいっそうでかく見えるな。」
今、俺は学園の前にいる。広い草原だからこそ城のような校舎が建てられるのか。どうやって建てたなんか聞かなくてもわかることだろうから聞かないことにした。
「そうだろ、でかいだろ。」
「さすがです。」
(身長を再度確認して。)
校舎に入ると清掃員さんがいた。男も女もいたがまず理事長に連れてこられた人たち以外に人がいることに驚いた。彼らは理事長に挨拶をした。もちろん俺にも挨拶をしてきたがちょっとからかわれた。
「おかえりなさい。その子は理事長のお子さんですか?」
彼女は不満そうな顔をしていった。
「私にそんな関係の人はいないよ。ただでさえ人が少ないんだ。」
俺は理事長室に連れ込まれた。
「ここが私の部屋だ。好きに使え。」
「生徒にはもっと優しい口調で言ってくれ。」
俺はこれまたでかいソファーに腰をかけた。すると彼女は紅茶を持ってきてくれた。
「紅茶でいいだろ?」
「いいですよ。ありがとうございます。」
彼女は薄ら笑いをしながら俺の前の長テーブルにおいた。
彼女も対面するようにして座った。
話が進まなかったため俺は気まづくなり口を開く。
「理事長って人間ですか?」
思いもよらなかったのか彼女は少し驚いたような顔をしてこう言った。
「お前はどう思う?」
「肌がちょっと青っぽいですね。」
彼女は袖をまくり自分の肌を見つめた。
少し考えているように見える。
俺も袖をまくって肌を見た時に彼女はようやく口を開く。
「うん、人間じゃないな。」
間があき俺も言葉にする。
「やっぱり、そう思っていたんですよ。もしかしたらと。」
・・・
「んで何者なんですか?」
彼女はまた考え込んだがこう言った。
「私は神だ。メルーリア=エスファルトも本当の名前だがもうひとつ、グガル=ベルハドールという名前がある。ブラッシングの影響は私にある。」
「えっ!」
俺は思わず口に出して驚いてしまった。
すぐに心を落ち着かせ。
「なぜその力を俺らに?」
「いやその・・・私が困っていたから。」
「何に困っているんだ。」
「ちょっと敵がでてきたというかー侵略をしようとしている者達がいる。」
「地球を狙って?」
「地球を狙ってというより宇宙を狙ったりとか次元を狙ったりとかだな。」
「それを倒せと?」
「よっよろしく。」
俺は人間にできることではないなと思った。そして怒り顔でこういった。
「俺はともかく他の生徒にはなんて言う。」
彼女はいままで見たことがない泣きそうな面でソファーに足をかけて座っている。
「体操座りしてないで早く答えなさい。」
かすかに聞こえる声で。
「集会で話す。」
俺はこれ以降質問をしなかった。自分が神である自覚とこれから生徒に掛かる負担が大きいと思ったからである。
そして俺達はソファーで横たわった。
(俺はあったことを思い返していた。手紙が届いて横にいるとぞと言われ横を見たら見たことがないタイプの人間、いや神か。そういや気になってたけどこの神様体操座りしてた時パンツ見えたんだよね。スカートたくしあげてそんな座り方するなよって思った。眠くなった寝よ。)
夜が深けた時に俺に声をかけてきた者がいる。夢の中で。
「起きて、話がある。」
夢だからかすぐに反応できた。
「はいっなんだここは。」
「私が作った。あなたの夢の中に空間を描いたのブラッシングでね。」
「さすが神様だ。器の大きさが違うな、俺は最高ロケットぐらいしか作れなかったな。」
「ロケットか十分じゃないか。」
「それで話とは?」
「今後の予定だ。明日は集会を開いて皆を説得するがそれがダメだったらお前が説得しろ。この学園に来るのは全員で32名だ。いいな。」
「別に大丈夫だがこの城を32名って少なくない。」
「私の力不足だ気にするな。」
「いや気にするよ。・・・次はこっちからの質問だ。」
「なんだ?」
「理事長みたいな神はあと何人いる?」
「知らん。だがたくさんいることには違いがない、私の知り合いは5人ぐらいしかいないがな。」
「マジかよ。」
「質問は終わりか?」
「まだだ、俺達をこれからどこに向かわせる。どうせ旅はするのだろう。」
「ニーエ=アトラタに向かってもらう。しばらく学園生活を楽しんでもらってからだがな。」
「アトラタ?アトランティスの事か?」
「そうともいう。それも海に沈んでたな。」
「レムリアもありそうだな。」
「あるさ。お前意外と伝説は知ってるんだな。」
「好きか嫌いって言えば好きだからな。」
「理事長、なんで学園なの?俺達を集めるならもっといい方法が。」
「私がお前ぐらいの子供が好きだからだな。もちろん幼い子も好きだが。」
その言葉を聞いて俺は関心してしまった。この神様はきっと命というものが何なのかわかっているのだろうと。
「理事長って意外と繊細な神様?」
「人間味はあるかな。」
そして俺に・・・
「勇気は永遠なれ 創造こそ挑戦 挑戦こそ成長の証」
俺はいきなり言われたので驚いた。
「びっくりした。そのくっさいポエム的なものは何だ?」
彼女はクスクス笑いながら
「いや、言ってみただけさ。」
「話は終わりだな。」
「はい。」
彼女は指を鳴らした。空間は白い光に包まれまて意識がもうろうとし俺は眠りについた。
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