第2話 世界
「うっうっ。」
俺は太陽の光にさらされていた。
「おいっそろそろ起きんか。」
「えっ!」
そうか俺は彼女に意識を飛ばされて・・・
俺はふと周りを見回した。
「なんですかねここは。」
驚いたことに目に見えるところは一面草原だったのだ。
(俺の住んでいたところにこんな場所あったっけ?)
「なあ理事長、ここは日本か?」
「違うぞ、ここはソルス・ムーというところだ。」
「ムー?どっかで聞いたことあるぞ。」
「そうだな、お前のところではムー大陸と呼ばれているな。」
「えっ、だってそんなの伝説じゃん。それにそんな大陸は・・・」
「おいおいここはお前の世界じゃない。」
「じゃあ何なんだよ。全部説明しろよ。」
「わかったよ。ここは鏡の中の世界、ブラッシング・ワールドだ。この世界はお前達の世界と繋がっているようで繋がっていない。だからムーも存在する。そしてお前の能力はこの世界から来たものだ。これをブラッシングと呼ぶ。お前も知っている通り描いて念じるだけであらゆるものが創造できる。これで話は終わりだ他に神の話だとか惑星の話だとかあるがこれはまた今度。」
俺の心は好奇心の塊になっていた。
「じゃあ鏡ならこっちは俺たちの世界と反対なのか?」
「反対ではないな。それじゃお前たちの世界にはムーが存在することになる。」
「でもいろいろな伝説になっているぞ。」
「それは神が同じものを作ろうとして失敗したんだ。」
「どういうこと?」
「こっちの世界が本当のお前達の世界だ。本当はこっちで偽物はあっち。」
「いつからだ、いつから偽物だった。」
「最初からだよ。地球は92億歳だ。」
「46億歳だろ。」
「それは複製の失敗からの話だろ。」
俺は黙り込んだ。
「まあ気持ちはわかるがそろそろ行こうか。」
そう言った彼女は手を振りあげ指をぱちんと鳴らした。
すると何もない草原からバリアが壊されていくように大きな建物が出てきた。
もちろん俺は口を開く余裕がない。
「私の学園にようこそ。今見てもらった通り<ココロのトビラ>の所有者はムーで指を鳴らすだけで学園が姿を現す。しばらくたつとまた消えてしまうがな。」
間をあけて俺は口を開いた。
「あのー俺はもう家族と会えないのか。」
「そうだなしばらく会えないな、お前の家はあるが空き家だろう。」
「そうか。」
(少し寂しい気がする)
「すまんな。」
「まあもういいよ。行こう高校生活も楽しみだしな。」
「入学式は明日からだけどな。」
「えーてっきり始まってるのかと思った。」
「そこでなんだが今日は学園に泊まるか家に帰るかどうする?」
「他の皆はどうしてるの?」
「家に帰ったよ。誰もいないというのに。」
「理事長にそそのかされた奴らはかわいそうだな。」
「お前達はブラッシングが何なのか知りに来たくて来たんだろ。」
少し黙った。
「学園に泊まるよ。学園生活のこと聞かせてくれ。」
「わかった。」
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