第1話 一枚の手紙
春、ある朝今まで届いたことがない手紙が俺の元に来た。
「我、貴公を招待す。」
俺は主もわからない手紙を流す程度で読んでみることにした。
内容はこうだ。
神田 恵殿
いきなりだがお前は今、決まった高校ではなく私の元に来なさい。
メルーリア学園お前が来るべきところ、そこがお前の血となり肉となる。
<ココロのトビラ>が何なのか知りたくはないか。知りたければ来い。
待っておるぞ。私は隣にいる。
理事長 メルーリア=エスファルトより
なんなんだこの文、ほとんど命令系だ。
確かに俺もこの能力については謎だと思っていた。魔法の一種や錬金術的なものではないのかと悩んだりもした。それとこの能力は人を殺したりその他悪事にも。生まれつきのこの能力はなぜ一定の確率なのか。いろいろ知りたい。そしてこの能力は使うたびに進化する使わなければ退化する。ちなみに俺は使ってるほうだと思う。
そして俺は心の中でつぶやいた。
「行くか。」
・・・
確かに聞いたぞお前の扉が開く音が。
「はっ誰だ、どこにいる。」
「誰だとは何だ?失礼な。私だ、メルーリアだ。お前の隣にいると言っただろう。」
「んっ!?」
隣には推定2メートル以上のある灰色の髪。白のようだがだが薄い青が少し混じっている肌。深淵を見てきたような冷たい黒の瞳。身長は180センチだろうか俺より少し高い。彼女はすぐさま口を開いた。
「鏡の前に立て。そうだなーなるべく全身が映るものがいいな。」
「ぐっ!」
俺は彼女の圧倒的存在感と華麗で涼しげなオーラに飲みこまれていた。もうなぜ心が読まれていたとかなぜ今まで見えなかったなどはどうでもよかった。
立ち尽くした。彼女のまた言葉を放つそのときまで。
「おい、どうした?動けよ人間。鏡の前だ。」
「はっはい。」
俺は重い脚を動かした。
「よし。じゃあ、意識を飛ばすぞ。」
そして彼女は俺に濃厚なキス押し付けた。
「あっあっ。」
最初は手や足から痙攣が始まった、次は太ももや二の腕、最後に頭から自分が抜け落ちるような感覚に襲われた。
「ふぅ、体も鏡の中に入れて終わりだ。」
・・・「ようこそブラッシング・ワールドへ。」・・・
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