あとがき
おわりに
利用規約の条文を一通り読んできた。全体を通して感じる印象は、利用規約としての弱さだった。規約が規約として成り立っているか、という話をするとなんだかイマイチである。とりあえず作ってみましたって感じがした。
もしかして、この世に存在する利用規約というのはこれぐらいざっくりとしたゆるいものなのだろうか。別に法律のような強制権があるわけではなく、ただ一つの私企業が勝手に守れと言い張っているものだから、そのルールの上で動く人たちのことはあまり考えていないのだろうか。そこまで考えて作られていない、とは考えたくないが。
しかしだ。カクヨムの土俵の上でやる以上、兎にも角にもこの規約を守らなければならない、という側面も事実だ。ガバガバで抜け穴ばかりの利用規約だが、運営が規約にのっとるか恣意的に動くかはともかく、ノーと言えばノーとなってしまう。白い紙を重役が黒い紙と言えばそれは黒い紙、の考えに近い。
サービスそのものを運営してゆくことも大事なのは間違いない。だが、何かあったときや基礎としては利用規約をはじめとするドキュメントが威力を発揮するものだ。適正な利用規約は利用者の適切なサービス利用につながるし、違反行為の線引きも容易となる。
星爆やレビュー爆、かつての「オレオ」問題など、カクヨムの上で発生しているトラブル・不正「とされる」行為はとどのつまり、甘いルールづけによるものではないのか。
もちろん規約が小説に対して脅威的な存在と化すことはあってはならない。小説は表現の自由のもとに成り立つ立派な成果物である。よりよく小説を発表できる場所として進歩していって欲しいと1ユーザとして考える次第である。
運営が適切に利用規約を改修・運用してゆくことを切に願い、終わりの文としたい。
ちょい待ち! 読もうぜ利用規約 衣谷一 @ITANIhajime
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