エピローグ 1/1000^3の世界のどこかで

「ふぅん、ドイツ留学……

独検4級ごときで、それも単位のために取ったようなあんたが~?」

「講義は英語だって!

独検かんけーねーよ!」


「それで、何か相談?」

「ミオに……とめられたら、やめようと思って……」

「なにそれ?なんで私?」

「ミオ、家族多いし、いろいろ大変そうだし、俺が手伝えることいっぱいあると思うし」

「なんで私がレイに、家のことを手伝わせるのよ……

まあ、買い物袋持たせたりはしてるけど……」

「俺がそうしたいんだ

勉強とか、結構助けてもらってるし

お返しがしたいんだ

もっと俺を頼ってくれよ」

「……」

「……おい、ミオ?」

「びっくりした

急に、そんなこと言うから」

「いや、まあ、留学ってなって、悩んでいろいろ考えてしまって……」

「いろいろって?」

「……言わね」

「はぁ?」

「言わねーって」

「今日のレイ意味わかんない

でも、レイがずっと隣にいてくれるのは、ありがたいかな!」


ミオはレイの頭をなでた。

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万物の理論と星の見る夢 setsu @s-e-tsu

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