貴人、英雄、首切り男

作者 古月むじな

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★★★ Excellent!!!

罪人の首を刎ねることが仕事の首切り男。死を与える者故に忌み嫌われる彼の前に、山羊のお面をした奇妙な男が「ある貴人と文通をしてほしい」とこれまた奇妙な依頼をしてきて――から始まる中編小説。

手紙の交換を重ねるごとに首切り男の性根の良さと優しさが、仲介人の山羊男の懊悩と忠信が、そして貴人の誇りと気高さがどんどん分かっていき、引き込まれずにはいられませんでした。
だからこそ終盤の首切り男が差し出した選択肢と貴人が選んだ答えに胸が苦しくなり、そしてほろ苦さと仄かな光が灯る最後がいっそう……。

言葉選びも秀逸で、不自然に語句が浮き上がることも無く、全てがこの物語の雰囲気に合致しているのもとても気持ち良いです。

そんな『貴人、英雄、首切り男』、是非一度ご一読くださいませ。

★★★ Excellent!!!

処刑を担当する、「首切り男」、「英雄」、「貴人」の三人の物語。
手紙のやりとりで明かされていく、それぞれの事情。
1話、1話、涙を堪えて読んでましたが、最後あたりは泣きながら読んでました。

感動の名作という陳腐な表現しか書けませんが、読んで絶対損はしない。
そんな素晴らしい作品です。

★★★ Excellent!!!

ひょんな事から文通をする事になった首切り男と貴人、そして彼らの仲介役の山羊面の男。三人の登場人物が悩んだり、怒ったり、時には涙したり。移ろいゆく季節の中、彼らの繊細な心の機微が美しい文章で表現されています。人との繋がりが希薄になり、理不尽な事で溢れるこの時代にこそ読むべき良作。きっと大切な事を思い出せるはずです。