さとこさんのエピソードは比喩かもしれないし比喩じゃないのかもしれない。
けれど実はよくあることなのではないだろうか。
表情のない顔、貼り付けたような笑顔、どう考えても大袈裟な反応。人はいろいろな方法で自分の身を守っているのではないか。
それが全ておかしいことなのか。さとこさんのやっていることはそんなにおかしなことなのか。私はそうは思わない。社会では理不尽なことが度々起こる。それが全く気にならない人もいれば、心の奥にずっしりと重いものを置かれていったような気分になる人もいるだろう。
疲れてしまったらさとこさんのように箱を被ったらいいじゃない。
そんな声がどこからか聞こえるような気がした。