エピローグ 12/25(月) 0:05

「じゃあ、もう次に行かないといけないから、行くよ」

トリモチをなんとか取り除き、父=サンタが立ち上がる。

「もう行くの?」

寂しさを瞳にたたえ、リョウコが見上げる。

「通常、1軒に1分以上かけてはいけないんだ」

「今回はね、リョウコの様子からしてパパに到達しそうだったから、特別に時間をもらったのよね~」

「そういうこと。

 リョウコ以外にも、サンタを待っている子はいるからね」

「そっか…。

 うん、おとーちゃん、気をつけて!!」

「ああ、行ってくる。

 年末には帰るからな!」

言うと、再び透明に…

「あ!待って!

 これ!クリスマスプレゼント!!」

「おう、ありがとう!」

渡した瞬間、箱ごと透明に消える。


フォン!


登場した時と同じように、空気の動く音と共に父は消えた。

「来年からは、リョウコにも手伝ってもらうわよ~」

「…サンタのお手伝い!?

 やるっ!」

「よかったわ~。

 基本秘密にしなきゃいけないからね~、慢性的に人手不足なのよ~」

「そ、そうなんだ…」

ちょっと、知らないほうがよかったかも?と思ったリョウコであった。


――明けて、朝。

「おはよー、リョウコ!」

「あ、おはよーー!」

教室にて、友人たちと挨拶を交わす。

本日は終業式。

授業もHRもないので、体育館へ移動するまでの間は、自然と雑談が始まる。

「で、どうだったの??

 サンタ捕まえられた??」

「あー、うん」

「あれ、なにその歯切れの悪い返事。

 でも『うん』ってことは、捕まえられたんだよね。

 正体はわかったの??」

「えーっと、ねー。

 やっぱり、サンタはおとーちゃんだったよ」

「えーー、なにそれー」

「だって、そうだったんだからしょうがない」

本当は大捕り物だったのだが、言えないことは言えないのだ。

「ま、しょうがないよね」

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サンタクロース捕獲計画 ただみかえで @tadami_kaede

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