変わらないモノ変わるモノ(その3)


 今まで様々なお客さんの話を聞いてきました。

 悲しみ、怒り、悩み、それぞれバラバラで決して同じ相談事は存在しませんでした。

 普通の高校生活を送っていた私には、その全てがとても貴重な体験で人生経験になっていることを私は実感します。

 

 けれど、それと同時に日々を過ごして行くに連れて、不安感が募っていくのを最近感じていた。

 こんな日々がいつまで続くのだろうか。

 卒業したらどうなるのだろうか。

 私が居なくなっても何も変わらないのだろうか。

 そんな気持ちが溢れ、私の心に降り積もっていく。

 

 ―永遠に変わらなければ、この不安感は消えてくれるのだろうか―


 そんな浅はかな願いを考えるほどに、私はおかしくなっていった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

赤い屋根の喫茶店 やおき @Nao2

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ