余談:救世主の降臨

 4体目の天使が十束剣によって倒され、再びあの日のように割れた空からそいつが降りてきたのは、それから間も無く経っての事だった。


 俺たちはあの日起きた出来事が、まだ始まりに過ぎなかったことをその時になってようやく知る。


 神の存在と、天使、悪魔の契約に巻き込まれた人類の運命を。その身をもって知ることとなる。


 自らの存在を失いつつも、残った僅かな光を奪われんと必死に抗う人類を、無慈悲な悪魔は愉快に嗤う。


 祈れ、さすれば与えられんと。


 破滅への道を歩み続ける人々を、奴らは笑っていた。

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悪魔憑きの代償(ロストメモリー) 葵依幸 @aoi_kou

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