無垢な少女の思い込み

無垢な少女の思い込み 多々ある連鎖の修羅場

そういった類のものを寄せ集めると 白い貴婦人になる

それはとうとう この世の果ての 人畜無害な蜃気楼

泡になった人魚たちと 騒ごう おどろ ぷかぷか

 

魂は叫べずに 似たり寄ったりの 日々に祝杯

あっちは高くてこっちは白い 花はきっとどこにでも咲く

どんな奴にも平等に なけなしの愛くれる

季節をまたいでしたたかに咲く それは誰にでもできる

一瞬だけ 儚く咲く それは君にしかできない

わたし ひとりぽっち どこにでもいる物憂げな女

あんたは きっと 私を見過ごしている

パスワードのかかった記憶発火装置は 機能の低下が著しい

わたし 何にも書けなくなった

わたし 明日にはきっとパッションフルーツ食べて

フル―チェに夢見ているんだわ 

時計草のお茶飲んで 落ち着こう でしょ

ところで 無垢な少女の思い込みって 何なんですか

何だと思います 共感出来たらちょっと 私とおんなじ

出来なかったら どこにでも行って って感じ

小さいころ こんな想像しなかった?

私のママは 大物女優で いつか迎えに来てくれる

私は実は どっかのお姫さまで ここに匿われている

私は異星人で 本当はいつか違う星へ 帰還する

そんな無垢な思い込み 誰も傷つけない思い込み

今でもそんな 想像ごっこ たまにして 涙を流す

だからきっと 私は白い貴婦人 結構なご身分

チョコレートの食べ放題 脂の乗った似非貴公子集団

ライカを買っても使えない 風船食べても飛べないよ

真っ先に吹き飛ぶのは 予想的中 不安分子の

陸ガメ愛好研究会 諸君 よくやった

ヒントになるような 曖昧さをちょっと目立たせて

明日には ちょっとそっぽを向いてみる

そしたらきっと 私一歩 あの日の思い込みを

昇華できる 消化しそこないの ビニル紐と一緒に

父の隠し持ったSMマガジンの 淡いあきらめに似た

切ない初恋の後の失恋 そんな少女だった

希望がもしも 毒だとしたら 私は失態を 解毒剤としよう

あんたが叫べば きっとこの世の中は 住みやすくなる

柱に縛られた 着物姿の貴婦人は 何を想い それを欲するのか

幼いころの 秘め事へのあこがれは 随分とズレた場所から起源した

欲すると 頂戴は 根本的に違う

ありがとうと さようならは 基本的に同じ

ある日森の中で迷った挙句 白骨死体になった 

あの人たちが 自殺志願者でないように 

いつも 世界は突拍子もないところで 

間違いだらけだ ああ 私という存在さえも

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詩集:小瓶の蝙蝠 まみすけ @mamisuke

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