作者の頭の中にある独特の美学を昏い幻想的な世界観とともに描いた作品です。全く内容は違いますが、『つがいの琉金』( https://menhera.jp/941 )の「死と狂気はあらゆるものを魅惑的にする」という言葉を思い出しました。この作品はまさに死と狂気によって幻想的な世界をさらに鮮やかに蠱惑的にしていてぞくぞくしますね。欲を言うと、描写の際の語彙が目眩のするくらい絢爛だとさらに奥行きのある世界になったと思います。
貪るように読み、侵食されていく狂喜に震えました。鮮烈な色彩と、とつとつ、と迫る音に溺れて読後、非日常に浮遊した感覚に目眩を覚えました。