赤い波
独立は達成したものの、それによりフィンランド国内は食糧不足による飢饉、高い
失業率、不況などのあらゆる問題を抱えることとなった。そして共産主義者らも勢
力を伸ばし、首都ヘルシンキは赤に染まりつつあった。この状況に危機感を持った
自作農やブルジョワジーなどが白衛軍と呼ばれる民兵組織を作った。彼らは当時首
相であった保守系のペール・スヴィンヒューを支持した。反対に小作農や労働者は
赤衛軍を組織した。そして既に武力衝突も生じていた。
カール・グスタフ・エミール・マンネルヘイム、フィンランド生まれの元帝政ロシ
ア陸軍将校である。例の革命により祖国に帰って来ていたのであった。
「首相、1905年のニコライ2世による抑圧以来フィンランドは独自の軍隊を持って
おりません。白衛軍は我々を支持しており、国軍と成すべきかと。また赤はここヘ
ルシンキにおいて影響力が強いので首都機能を一時北部のヴァーサに移すのが適策
と思います。」
「確かにそうだな、マンネルヘイム。軍隊の創設、軍の統率は君に任そう。」
こうして1918年1月13日には白衛軍は国軍として認められ、マンネルヘイムは白衛
軍総司令官に着任したのである。
そして同 27日 ヘルシンキで満を持したかのように赤い狼煙が上がるのである……
スオミ Kronborg @Kronborg
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