第30話 mystery 26 ~神と英雄~

俺は株主総会での事を龍牙に相談しに来てた。

難しい事は俺には解らないが、こいつなら何とかするだろう…………


「ここは俺にはどうにもならねえ、そもそも神崎家はお前の子孫何だろ? 何でこんな事に成った?」


「それを言われると頭が痛いよ…………有理子社長の父、まあ光成と言う男に先見之明が余りにも無さすぎたんだ。今のメインバンク、解るよね?」


「シズホ銀行だろ? そもそもがあの銀行がメインバンクってのが意味が解らねえ、あれこそ奴等の手先じゃねえか⁉」


「いや、元は朝霧銀行だったんだよ、だけど合併で…………」


「何故元から銀行をグループに造らなかった? 奴等の隠蓑だって知ってたろ?」


「法律の問題がね…………」


「独禁法か…………」


「規制緩和まで持たせられなかったんだ…………」


「テメエやっぱ浩二か…………」


「まあ…………それは…………」


「聞かなかった事にしよう、それよりどうすんだ? 今のままじゃ進められねえぞ?」


「手は売って有る、まあそれでもギリだけど、今から買付でとんでもない事に成るけど、まあしょうがない」


龍牙は買付限度額までの株を買い付けた、それこそ銘柄漠あげと成ったが致し方無いだろう、現在有理子派閥の保有株は委任状を足しても48.5%、まだ少したりない、そして株主総会当日が来た。


神合コーポレーションの発行済み株数は583,585,862株だ。

詰り同数に持ち込むには後1.5%の8.753.787株必要だ、だがそんな数をこれから集めるのは至難の技だった。


「まだ勝負に出るのは早かったのかしら…………」


「諦めては駄目よ有理子、後は父の後継者が貴女である事をしっかりと株主達に説明出来れば此方に寝返らせる事が出来るわ!」


そして代表通しの意見が発表された、そして…………


「誰だ! お前は! ここは関係者以外の立ち入りは!」


「俺はここの関係者だ、バカ野郎‼」


「会長⁉」


「待たせたな! 実はここにとある人物から預かった株が有る」


「はし株か…………ご苦労な事だ…………」


「そう思うだろう? だけど違うんだよな~、これはこの神合コーポレーション創業当初の株何だよ? 俺もびっくりしたんだけどさ? これ何年に発行だと思う? 何と1912年! 設定額が何と1株100万…………これ足すとさ? 5%ゆうに越えるらしいぜ? さて、俺はこの株を買った株主だ! 議決権を行使する、社長の意見に賛成だ!」


これにより株主総会は有理子派の勝利に終わったが、何故俺がこの株を手に出来たか…………

話は数時間前に遡る


ーーーーーーーーーーー


「たけちゃん、悪いんだけど成田にこの人を迎えに行って貰いたいんだ!」


「トリトーン海運社長? これってスペインの富豪の有名な奴じゃねーか? 何でこんな奴知ってるんだ?」


「まあまあ、話は彼に直接聞けば良いよ、急ごう、時間が無い!」


「てか、俺スペイン語何て話せねえぞ?」


「日本語通じるから大丈夫‼」


そして俺は成田に急行した、そこには若い男女が待っていた。


「やあ! 君は健君だね? 僕はアポーロニア.デル・ピラール・カイエターナ・デ・シルバ・イ・アルバレス・デ・トレド で……」


「ナゲー‼ 覚えられる訳ねーだろ‼」


「アハハ! 相変わらずで嬉しいよ! 気軽にアポロとでも呼んでくれ‼」


「お、おう!」


「こっちは妹のアルテミア.ビル……」


「アルテミアでいいわ! 宜しく、健」


「えれえ漠乳……」


バキ!


「フゴォ‼」


「いきなり揉むな!」


取り敢えず俺は二人を車にのせ、一路都内に向かう、だがこの二人…………同じ部類の奴だ、神…………


「龍牙から話は聞いているよ、そのまま株主総会の会場に向かうといい」


「でも俺が行った所でどうにもなんねーみたいなんだよな…………」


「彼女を君の妻にする、それで君がこれのオーナーだ」


「マジ! こんなかわいこちゃんもらって良いのかよ?」


「もう貰われてるわよ‼」


「……⁉ やっぱり俺のタイムスリップしたときの!」


「感じ取れる位までは覚醒したようね?」


「まあな…………割りい…………まだ思い出せなくて…………」


「良いわよ、解ってた事だもの」


「さて、この株の説明をしておこう、我がアルバ家は元スペイン王族の家系でね、今は侯爵家だ、そして現在の神合コーポレーションの前進である神王繊維に投資をした経緯を持つ、これはその時発行された物だ、そしてこれは…………」


ーーーーーーーーーーー


こう言う訳で俺はこの証券を手にする事が出来た、しかし役100年前のこれだけの金額の株を発行する方も買う方も、いったいどうなってんだよ…………1912年て言ったら第一次世界対戦に入るほんの数年前だったよな? まあ良いか…………


「健様‼」


「おお、有理子、理恵! 何とか成ったな」


「健様のお陰です! でも何処からこの様な物を?」


「礼なら龍牙と、この二人に言うんだな?」


「久しぶりね! 有理子、理恵、10年ぶり位かしら?」


「アルテミア! アポーロニア! まさかあなたたちが⁉」


「当然でしょう? だってこの人何だもの、私の相手って」


「え? 健様が? そうだったのですか⁉」


「何だ? お前ら知りあいだったのかよ」


「知りあいと言っても、まだこの二人が中学生位の頃に一度私がスペインのグループ企業へ出向いた頃にパーティ会場で一度お会いしただけなんですけど…………」


「今回はね?」


「じゃあお姉さま! もしかして‼」


「ああ、このアルテミアは俺の女だったらしいぜ?」


「そう、アポーロニアはその時も一緒に戦った同士よ!」


「健君とは友達さ!」


「何かお前とは気が合いそうな感じがするぜ‼」


「勿論だとも! それと明日には僕達の腹違いの弟が来ることに成っててね、その弟も同じだよ、僕たちの仲間だ! 彼は琴が得意でね~君に聞かせるのを楽しみにしていたよ!」


俺はこの二人の存在に気がついた、マジかよ⁉ こいつら本当の神じゃねえか! 俺は夢でも見ているのか? アプスーにナンナ、そして恐らくこいつらは…………アポローンとアルテミス、そして琴が得意……オルペウスだ、ここまで行くとそうとしか思えねー!


「どうしたの? 健」


「なあ? お前らって…………」


「今気にする必要は無いんじゃない? 貴方が誰なのか? 私達が誰なのか? とかは、今やるべき事ではないわ、今必要な事は、この戦争を仕掛けて来た者達を追究する事よ、私達はその応援に来た、今回の件は、奴等の宣戦布告よ!」


「待ってアルテミア、いくらなんでもあいつらが…………早すぎるわ? どうしてそう言えるの? 出来る限り目立たない様にもしてきた」


「あら、久しぶりね? こんなに早く貴女に会える何て」


「茶化さないで、電話のやり取りはついこないだでしょ? それより質問に答えて」


「Imitation of Godを投薬した者を素手で倒した英雄、そんな者が2チャンやTwitterで話題に成っているのよ? 奴等が常に監視できる媒体でそんな噂が上がれば健 大和が復活した、どんなバカでも想像位つけるでしょ?」


「ちょっと待てアルテミア、健 大和?」


「そうだよ健君、君は大和財閥の大和家の始祖」


「は~~…………繋がったぜ…………そう言う事か…………グチャグチャ考えんのはもうやめだ! 俺の事が奴等にしれわたって仕掛けて来たのが今回の騒動だってんなら上等じゃねえか‼ 落し前キッチリ付けてやるぜ‼」


「どうするんだい?」


「ビジネスで挑まれたんならビジネスで落し前つける、当然だろ? 有理子、理恵! 元社長派、ぶっ潰して裏でこそこそ糸引いてたやろう引摺り出すぞ‼」


「はい!」



ーーーーーーーーーーー


「海原さん、随分とみっともない失敗だね? 君では駄目かな?」


「金山さん、待ってくれ、此方にはまだ切札が有る、少し手伝ってくれれば必ず潰せる」


「良いかね? 神崎 理恵、必要なのはあの女だ、もし上手く事が運ばない様なら神合コーポレーションその物を消す事に成る、これはウィザードからの指示だ、社を存続させたいのならどんな手を使ってでも社長派を潰して神崎 理恵を神合コーポレーションから追い出せ、あの女が神合コーポレーションにいる間は此方も手が出せん」


「ウィザード様からの指示と言えば あの会長はどうするのですか? 私にはただの馬鹿にしか見えませんが? ウィザード様は随分と気にかけていたご様子」


「奴は九竜の方で始末するとの事だ……メディアに出てきてる訳でも無い、ネット内だけでの英雄だ、不審死した所で大した騒ぎにもならんだろう、所で切札とは?」


「光成の娘です、詰り有理子と理恵の妹…………」


「姉妹が他にも居たのか⁉」


「最もあの二人も存在は知りません、妾に産ませた子ですから」


「妾?」


「神崎家の家政婦だった女ですよ、今は心労から来る病気で入院中です」


「そいつを使ってどうする?」


「その妹はあれの母親が経営していた保育園の、今は園長をやってますが、神合バンクから多大な借金が有るんです、その債権をそちらに譲渡します」


「いきなりの取り立ては出来まい?」


「元社長の妾と娘と言う理由で此方で肩代わりをしているんですよ、実際はもう飛んでいてもおかしくない保育園何です。何かに使えないかと泳がしていたのですが…………使える日が来ました」


「良いだろう、追い込みは此方でかける、その後どうするね? 端金ではそく返されて終わるぞ?」


「私だってビジネスマンですよ? 唯で金をかすと思いますか? 上場してない株式何ですよ、有価証券はバンクで所有しています。あの娘の性格上有理子や理恵に泣きつく事は絶対にしません。ですがあれらの母親が一度妾の事を切り捨てているんです、それにあの二人は大分心を痛めて居ます。妾に子供が居てそれが自分達の妹で、自殺でもしたとしたら…………」


「良いだろう、引き受けた! 名は?」


「岡田 しおり、年は30才、三鷹に有る草笛保育園の園長をしています」


草笛保育園の有価証券、そして債権、岡田 しおりの母親が造った1千万の借金の借用書の全てがその日、金山組の企業舎弟である金山金融へ渡った。








  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

Eternal mystery ~最強への道標~ 非魔神 @112355

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る