昔話。

不可式ヨハネ

第1話神様の世界。

昔々と、ありきたりな文章からこの話は始まります。


さて、昔々といってもそれほど昔では無い過去の話。


ある時、10人いる神様の内1人が小さな世界を作りました。

その神様が穣農の神であった為か、小さいながらも自然豊かな世界でした。

そして、ある時神様は兄弟分でもある命の神に、その世界に生物を生み出して貰いました。

その生物が人間です。

人間の他にも牛や豚や鳥、魚など様々な生物を生み出してその世界はより一層豊かなものとなりました。

ですが、ある時ひとりの神が言いました。

「私の力でその世界を一層豊かにしてあげよう」

それは知恵の神でした。

穣農の神と命の神は快く受け入れ、お願いしました。

知恵の神は人間に知恵を与え、伐採、採掘、狩りを覚え、火も扱える様になりました。

そして、年を重ねる毎に人間は知恵をつけていきました。

その分多くの木が切られました。

穣農の神と命の神はその世界の自然が大好きだったので知恵の神にこれ以上人間を発達させない様に頼みました。

ですが、折角2人の為にと思いやっていた知恵の神が自分を蔑ろにされたと思い、憤慨して人間に世界の自然を全て燃やす様な知恵を広めました。

当然命の神はその力を使い人間を止めようとしましたが、知恵の神にインプットされた知恵は洗脳に近いもので止める事は出来ませんでした。

穣農の神は自然の素の種を世界中に撒きました。

けれども度重なる山火事、そして知恵をつけた人間同士の領土の取り合いや食料の奪い合いによる戦争で自然は更に減る一方でした。

人間達はどんどんと知恵をつけて行き核や銃器といった兵器まで開発しました。


人間同士の核兵器を使った戦争は神の心を傷つけて行き、穣農の神と命の神は人間を一度全部殺してもう一度創り直そうと決めました。

ですが、それをさせまいとする知恵の神が2人の神を殺しました。


人間達は命の神が死んだ事によりその存在を保てなくなり本能と欲のみで機能する生物になりました。


知恵の神は何度も世界とリンクして人間に知恵を与えようとしましたが、逆にリンクし過ぎて知恵の神がいる天界へ人間達が乗り込んできました。


そして知恵の神は人間の欲望のままに殺されました。


その3人をずっと見守っていた秩序の神が、その世界に秩序を設け人間達を封印しました。

人間達はその後もずっと戦争を続けましたが、その世界を作った神が死んだのでその世界は資源が枯渇し自然が無くなり枯れ果てて壊滅しました。


3人の神を不憫に思った残りの神達はその力を結集しもう一度同じ世界を作り、人間に適度な知恵と自然とみずと食料を与えたそうだ。


それが、今私たちが生きているこの世界の始まりだそうだ。


––––––めでたしめでたし。

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