人を忘れた少女と人形の孤独な二重奏

人を忘れた少女は自らを機械のように扱った。心はなく涙を流すこともない冷徹な機械のように。
そして、ある組織はそれを是として少女を使う。
だが、そんな彼女の心を照らす光があった。でもそれは人のよってもたらされたものでも、ましてや彼女を使う組織からもたらされたものでもない。
それは人を模倣しながら人の心を持たぬただ機械からもたらされたものだった。

百合×SF×アクション
この作者さんの作品は以前から追わせてもらっていますが、文章・演出・構成と以前に比べても上達しているように感じました。

今作は現在アニメが放送されている『BEATLESS』の設定を一般に開放したアナログハック・オープンリソースから作られていますが、短編だということを意識してか、オープンリソースとして開示されている膨大な情報の中から読者が理解するための最小限情報だけをうまくピックアップして、埋め込めれていました。

文章も主人公の心情がストレートに書かれており、後半の戦闘シーンではそのストレートな文体がスピーディーなアクションを非常にマッチしています。

ラストの終わり方は映画の終わりというよりは走りの部分を想起させる内容でしたが、その描き方によって逆に頭に強く残りますし、落とし所としても安定しているなとも思いました。

この調子で次回作も期待してます(・ω・)ノ

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